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「終わりよければすべてよし」石原さとみ、藤原竜也の軽妙洒脱な演技(日刊ゲンダイDIGITAL)

【演劇えんま帳】

 彩の国さいたま芸術劇場「終わりよければすべてよし」

 ◇  ◇  ◇

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 彩の国さいたま芸術劇場がシェークスピア全37作品の完全上演を目指し、故・蜷川幸雄のもとで1998年にスタート、芸術監督・吉田鋼太郎が引き継いだ企画公演の最終作。翻訳は松岡和子、演出は吉田鋼太郎。

 舞台はフランスのルシヨン。伯爵バートラム(藤原竜也)と家臣のパローレス(横田栄司)は、病の床にあるフランス国王(吉田鋼太郎)に伺候するためパリに向かう。

 バートラムの母・ルシヨン伯爵夫人(宮本裕子)の庇護を受ける美しい孤児ヘレン(石原さとみ)はバートラムに思いを寄せているが身分違いのため打ち明けることができない。しかし、医師だった父の秘伝の処方箋で瀕死の国王を治療し、見返りに夫を選ぶ権利を与えられる。ヘレンはバートラムを指名するが彼は貧乏医師の娘とは結婚しないと拒否する。だが、国王に叱責されたバートラムは渋々承諾。ヘレンと結婚したものの初夜を共にする気がなく、「もしも私の指輪を手に入れて、私の子供を産んでみせればおまえを私の妻と認めよう」との置き手紙を書いて戦場に赴く。

 ヘレンは巡礼の旅と偽って彼を追いフィレンツェへ。キャピレット未亡人の家に身を寄せるが、浮気なバートラムが未亡人の娘ダイアナ(山谷花純)に求愛していることを知り、3人で計らい、ある計画を実行に移す……。

 伯爵夫人が貧しい娘を息子の妻に迎え入れようとするのは当時の社会通念上ありえず、ほかにも整合性に欠ける部分があるため20世紀になるまで上演される機会はほとんどなかった問題作だ。

 確かに、「ロミオとジュリエット」ならいざ知らず、バートラムからすれば好きでもない女につきまとわれ、それを母親や国王までが後押しするなどとんでもない話。一方のヘレンにとっても手練手管でバートラムと結ばれたところでその愛に展望はあるのかと問題は残る。

 もちろん、この作品に今日の視点から「女性の積極性=女性解放」を重ねることはできる。

 嫌われても嫌われても追いかけて相手の愛を手に入れるヘレンはいかにも現代風の娘だ。

 石原はそんなヘレンの積極性とピュアなたたずまいを好演。粒立ったセリフが客席によく通る。藤原は珍しく、柄に合わない非情なダメ男っぷりを軽妙に演じた。吉田はいぶし銀の演技で舞台を引き締め、溝端淳平、河内大和らがしっかりと脇を固めた。

 2時間40分。大ホールで29日まで。

★★★★

(山田勝仁)

提供元:Yahooニュース
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