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今まさに巣立っていく『ニワトリ★スター』への溢れ出る思い。出演者と監督が語り尽くす(ぴあ映画生活)

インタビューが行われたのは、作品の門出とも言える公開初日の舞台挨拶終了後。井浦新、成田凌、LiLiCo、そしてかなた狼監督が並んで座るだけで、広いとは言えない控室の空気の“圧”が高まるのが感じられる。彼らがその熱量の全てを注ぎ込んだ映画『ニワトリ★スター』。この作品の何が特別なのか? オープニングから展開する成田とLiLiCoの激しい濡れ場シーンの撮影秘話から、紆余曲折を経て公開を迎えたことへの感慨、そして次世代のスターと名高い成田凌の魅力に至るまで、当事者たちがたっぷりと語った!
ほか画像
かなた狼監督が自ら手がけた小説を映像化した本作。東京の片隅にある奇妙なアパートで自堕落な共同生活を送る草太(井浦)と楽人(成田)がヤクザのしのぎなど予期せぬ事態に巻き込まれ、思いもよらない運命を歩んでいくさまを描き出す。
今の日本映画界において、漫画原作などを持たないオリジナル作品を映画にする難しさは周知のとおり。本作も例外ではなく、監督は自らが所有するアパートを撮影に使い、クラウドファンディングを募り、多くの苦難を乗り越えてこうして公開にこぎつけた。かなた狼監督は言葉にできない感慨を噛みしめる。「公開日って世間で言うところの作品の誕生日かもしれないけど、自分の中ではお別れの日でもあり、見送るような気持ち。“作品離れ”できない自分がいます(苦笑)。ここまでの時間は……長かったし、草太と楽人の行く末を現実のもののように捉えている自分がいて、どっちが現実なのか分からなくなる瞬間もあったり……。二重生活のようにここまでやってきたので、(公開は)寂しいですね」
井浦は監督とは10年来の友人であり、製作の過程の全てを傍らで見守ってきた。「今までの自分のキャリアの延長上にある作品ではない」と特別な思いを口にする。「これまでもいくつもの作品の旅立ちに立ち会ってきたけど……今のこの気持ちを表す形容詞が見当たらないです。普段、舞台挨拶で絶対に泣かないと決めているんですけど、今日は危なかった……(笑)。監督との出会いのきっかけを作ってくれた、先に旅立ってしまった仲間もいるし、この映画は監督とその人の“決着”とも言える作品。今日、作品は僕らの手から飛び立つし、遠くに飛んでいってほしいけど、一方で自分の心の奥深くに着地するような思いも同居していて、こんなことは初めてです」
成田はオーディションで「楽人役は俺しかいない」「この役をやるために役者になった」と大見得を切って、楽人役を手にした。それからの歳月を「長かった」と振り返る。「あの撮影中の期間は何だったんだろう……って。成田凌ではなく、楽人として別の時間を過ごしていたような思い出の夏です。この作品をみんなに見られることへの恥ずかしさや恐怖があるけど、同時に自信を持って見せられる。すごく不思議な気持ちで、見た人の反応なんてどうでもいい! と思えるほど、自分にとって大切な作品です。自分が実家を出たときに感じた『この先、どういう道を歩んでいくのかな?』という思いを今、この作品にも感じています」
LiLiCoは、草太と楽人が住むアパートの管理人を演じており、出演は1シーンのみだが、冒頭でいきなり楽人と激しいセックスに興じており、この映画のトーン、方向性をガツンと示す重要な役割を担っている。なぜこの役を、普段から役者を本業とする女優ではなくLiLiCoに? そんな問いに監督は「本能」と大真面目に語る。横から井浦は「あのアパートは監督のものなので、あの管理人は監督自身だと思う。だから、メチャクチャな人にメチャクチャな人を当てたんじゃないかと(笑)」とフォロー(?)する。
ちなみに監督が暮らす大阪ではLiLiCoが映画紹介コーナーを持つ『王様のブランチ』は放送されておらず、監督自身、撮影が終わるまで彼女が映画コメンテーターであることを知らず「クレイジーなタレント(笑)」と認識していたとか……。そんな経緯の全てを含め、LiLiCoは「うれしかったです!」と満面の笑みを浮かべる。「監督もいろんなところでおっしゃっていますが、LiLiCoにとって“脱ぐこと”って今さら、何のメリットも必要性もないんです。でも、あの映画では必要だし、あの管理人にとってはあれ(=裸)こそが衣装。あの台本に書いてあることをきっとやってくれるだろうと思って声をかけてくれたわけで、それが本当にうれしい。年に何百本も観る映画コメンテーターとして『こんな映画観たことない』なんて言うのは勇気がいるんですよ。それこそ生涯ベスト1の作品を言うくらい(笑)。でもやっぱり、こんな映画観たことないし、全てがベストの状態で噛み合ってるんだと思う。生きる力をもらえます」と言葉に力を込める。
さて、気になるその“濡れ場”のシーンだが、LiLiCoは「成田くんの“スクリーン童貞”もらっちゃいました。私の中の悪魔のLiLiCoが『いただいちゃえよ』ってささやいてきて、天使のLiLiCoも『そうね、ちょっとだけいただいちゃいなさい』って(笑)」とおどけるが、監督は「あのシーンを撮ったことで、作品のトーンも決まったし、僕にとっても役者陣にとっても『もう逃げられないぞ』と覚悟が決まった」と振り返る。成田は「実は、本編に使われてない、寄りのカットも撮った」と明かすが「映倫の審査でダメとなった」(監督)とのこと。ちなみに成田とLiLiCoは互いの“健闘”をたたえ、撮影後に「ユニフォーム交換(笑)」と称して、そのとき、ふたりが唯一身に着けていた前貼りを交換したとか……。
このシーン然り、この映画でまぶしいばかりの若き輝きを放っている成田だが、井浦は「この映画で“役者・成田凌”が生まれたんだなって勝手に思っています」とうなずく。ここ最近のドラマや映画での快進撃は誰もが知るところだが、その原点とも言うべき瞬間を目撃したという自負、そして今後、彼が歩むであろう輝かしい未来への確信がその言葉に込められている。
井浦が隣にいるからこそだろうが、本作を観て、無軌道で無鉄砲で、しかし観る者を惹きつけてやまない不思議な魅力を放つ成田に、井浦が若い頃に『ピンポン』などで共演し、独特の存在感でスターの道を駆け上がっていった窪塚洋介の姿をダブらせる観客も多いはずだ。だが、井浦はそんな声に「洋介くんは洋介くんだし凌は凌。お互い誰にもない個性を持っている」と首を振り、その唯一無二の個性を称える。「何より魅力に感じるのは、しなやかで伸び伸びとしているところ。僕自身、草太が抱えている重いものを背負って『よし、やるぞ』と気負って現場にいた部分があったけど、隣りで凌を見て、いろんなことに気づかされました。現場に入ったらそんなもん、全部捨てちまえ! と芝居も何も捨てて、熱量だけで現場にいられたのは凌がいたから。何にも囚われないしなやかさがユニークであり、それはあの年齢、瞬間だからこそ。10年後には、またいろんなものが刻まれた凌がいると思うし、本当にすごく楽しみです」
取材・文:黒豆直樹 撮影:源賀津己
『ニワトリ★スター』
全国公開中
提供元:Yahooニュース