
-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
中村うさぎ&マツコ・デラックスの掛け合いに思う…週刊誌の人生相談回答者に必要な資質と能力とは(松尾潔)(日刊ゲンダイDIGITAL)

-
【松尾潔のメロウな木曜日】#57
季節外れのインフルエンザに罹患した娘に付き添って行った調剤薬局で、思いのほか待たされることになった。なかなか名前が呼ばれない。
「スマイルカンパニー契約解除の全真相」弁護士を通じて山下達郎・竹内まりや夫妻の“賛成事実”を確認
薬剤師が先客に話す内容が聞こえてくる。今年は前例がないレベルで咳止め薬が足りないそうだ。新型コロナの影響かとまず思ったが、最大の理由は2020年以降にジェネリック医薬品(後発薬)のメーカーによる不祥事が続き、生産停止の処分を受ける会社が相次いでいるからだとか。そういえば、今週月曜(10月23日)も、後発薬業界最大手の沢井製薬が品質確認検査に不正があったことを認めて謝罪会見をやってたな。
当局による同社への業務停止命令などの判断はまだだというが、数年前に同社のCM音楽を作ったぼくにとっては十分にショッキングなニュースである。また医薬品の一部原料が中国やインドの規制強化で輸出が厳しくなったことも、咳止め薬不足に影響しているらしい。ぼーっと聞いていると処理できないほどの情報量に、咳ひとつない健康なぼくも頭がモヤモヤする。世の中、事はそうシンプルではないと痛感するばかり。
薬局の時間つぶしに手に取ったサンデー毎日の、中村うさぎ&マツコ・デラックスの人生相談『信じる者はダマされる』にふと目が留まる。〈まともそうでない男性ばかりが寄ってくる〉と嘆く47歳の女性相談者に、自分がある男性からかけられた言葉を引用して回答するうさぎさん。その男性はうさぎさんに「セックスしている姿は想像できるけど、セックスに至るまでの道が全然見えない」と言い、同席した別の女性には「セックスに至る道は見えるけど、セックスしている姿が想像できない」と言い、つまりセックスしている姿とセックスに至る道も両方見えるのが男にとって理想の女と結論づけたそう。
名前のない夜に名前のないバーで隣から漏れ聞こえてくる話みたいだな。ぼくの好物です。ちいさく頷くような感覚で読み進めると、マツコさんも「ああ、なんかその話、すごく腑に落ちたわ」と相槌を打っていた。
ご両人の息のあった掛け合いと語り口に、なるほど分かるかもと膝を打っていたぼくだが、しばらくすると「やっぱ分かんないかも」とふたたび頭がモヤモヤ。だって世の中、事はそうシンプルではないのでは、と。
■諸事情を呑み込んだうえで「理想の女」を論じているに違いない
時代の変化に対して鋭敏な感覚も感性もあるうさぎ&マツコのことだ。この時代にモテ論を煮詰める空疎さを人一倍感じつつ、でも諸事情を呑み込んだうえで「理想の女」を論じているに違いないのだ。週刊誌の人生相談という古典的フォーマットで、最も古典的なテーマのひとつ「男にとっての理想の女」への回答を語り芸として昇華させる。
そんなの、誰にもできることではない。人生経験、恋愛経験、教養、知性、程よい正義感、程よい奇想力、もちろん言語化のスキル。備えて当然のこうした条件に加えて、ある種の芸人根性と覚悟がなければ、週刊誌の人生相談回答者なんて続けられないはずだ。
いやもしかすると、回答者の適性なるものは、必要な資質や能力よりむしろ不必要な条件を列挙することで明らかになるのではないか。ぱっと思いつくまま言うなら、偏見、先入観、癇癪、不寛容、威圧感、権威主義、暑苦しい正義感。全部いらないもんなぁ、人生相談じゃなくても。
さて週刊誌の人生相談といえば、先日突如終わって話題になった週刊文春『悩むが花』である。伊集院静氏の長寿連載。それこそ「不必要な条件」全部入りだったことを今さらながらに思いだす。不機嫌全開というおまけつき。特にここ数ヶ月の読者や編集者への罵倒ぶりは凄かった。でもそういうのも含めて「ビジネス癇癪」なんでしょと、半ば思考停止していたところが読者のぼくにもあった。
すると、ほんとに辞めちゃった。最終回は、何度読み直してもすっきりしない文章で、あれはヤバかった。「読ませる芸」は芸じゃなかったってか。思いだすだけでも薬局でヘンな汗が出てきてしまう。
まだ名前は呼ばれない。
(松尾潔/音楽プロデューサー)
提供元:Yahooニュース

