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二階堂ふみからオファー、行定監督が語る映画「リバーズ・エッジ」裏話（TOKYO FM＋）

高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「高橋みなみのこれから、何する？」。2月27日（火）の放送では、映画「リバーズ・エッジ」の監督・行定勲さんが登場しました。

これまで「GO」や「世界の中心で、愛をさけぶ」、さらには「クローズド・ノート」、「ナラタージュ」など数多くの作品を手掛けてきた行定監督。現在公開中の「リバーズ・エッジ」は長編作品としては通算22作目。

本作は、行定監督も影響を受けたという岡崎京子さんの同名マンガが原作。二階堂ふみさんと吉沢亮さん主演で実写映画化となりました。先日は第68回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で「国際批評家連盟賞」を受賞。行定監督は2010年にも映画「パレード」で同じ賞を受賞しており、今回で2度目の受賞になります。

原作ものを実写化することに対して、行定監督は「リスペクトがある原作しか映画にしない」とキッパリ。そして、観客が原作のファンである可能性もあるため、実写化する際には原作を裏切ることなく作ることが重要だと言います。しかし、そのプレッシャーはとにかく強烈だそうで、「できれば触れたくない」という本音もポロリ。

とはいえ、原作ものも果敢に手がける行定監督。制作にあたっては、映画に対して（行定監督が）思っていることが見えるようにすることが重要だと言い、そのためには原作にないものもあえて取り入れることもざら。それだけに原作が同じでも監督が違えば、全く異なる作品が生まれるのは当然で、それが原作ものの面白いところでもあると行定監督は話していました。

そして、原作ものの作品で気になるのはキャスティング。キャラクターに似ているかどうかがポイントになるのかと思いきや、行定監督はそれ以上に「映像化したときに、どれぐらい魂を近づけられるのかが重要」と力説。「リバーズ・エッジ」に関しては役者が、どこまで社会や人の生死に向き合えるかが決め手だったそうです。

しかも、本作に関しては主演の二階堂さんから一緒に「リバーズ・エッジ」をやりたいとオファーがあったと行定監督は明かします。それも、二階堂さんとの共演経験がなかったにも関わらず、この映画を観てみたい、そこに自分も関わりたいと二階堂さんから打ち明けられたそうです。

今回、街頭調査で街の人に「映画監督に会ったら聞いてみたこと」を尋ねたところ、担当する作品の選び方について質問が。行定監督によると、映画のプロセスには2つあり、ひとつはプロデューサーが脚本を作って監督を選ぶパターン、もうひとつは監督がこの脚本をやりたいというパターンだそうです。

「リバーズ・エッジ」の場合は、二階堂さんから行定監督にオファーがあり、そこからプロデューサーを巻き込んだ形で、脚本も脚本家を選定して行定監督が一緒に作っていったとのこと。ちなみに、映画には制作費も大きく関わってきますが、行定監督がこれまで手がけたものは最小で400万円。最大で11億円のものがあったとか。

続いて、街の人に「何度も観直す映画」を尋ねたところ、「サウンド・オブ・ミュージック」や「スター・ウォーズ」などが挙げられました。行定監督が選んだのは1955年に公開された成瀬巳喜男監督の「浮雲」。どうしようもない男と女の恋愛、それも不倫の物語ですが、どこかもの悲しく、それでいて生きづらさが現代でも伝わってくるところに惹かれたと話してくれました。

そして、最後には現在の映画業界における危機感とその未来について。現在、地元・熊本で「くまもと復興映画祭 Powered by 菊池映画祭」のディレクターをつとめる行定監督曰く、映画で最も重要なのは観客であり、「僕たちは観客に作ってもらっている」と言い、それだけに観客には映画が面白いということに気付いて欲しいと訴えます。

今人気の学園ものではなく、「リバーズ・エッジ」のようにあえて違った作品を観客に見つけてほしい、気付いてほしいと行定監督。そして、それが今公開するための意味だとも言います。「今の子どもたちの世代も衝撃を受けている。それがすごく重要で、それに気付いた観客が次の僕らの作品を作らせてくれる。だから、観客にはいい映画を見つけてほしい」と主張。気になる行定監督の今後について、今は原作ものが多いだけに、オリジナルでやっていきたいと話していました。

（TOKYO FMの番組「高橋みなみの『これから、何する？』」2018年2月27日放送より）

提供元：Yahooニュース

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