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ワンカット74分の長回し「アイスと雨音」は映像表現の革命(産経新聞)


 これほど無謀な映画もないだろう。3月3日公開の「アイスと雨音」は、74分間ワンカット長回しの撮影で、しかも映画の中では1カ月の時間が経過しているという驚異の作品だ。キャストもスタッフも音楽も一発勝負の中で最高の結果を出している。「劇団ゴジゲン」を主宰する演劇人としても知られる松居大悟監督(32)は「周りに仲間が多いということに気づいた。自分の中ではちょっと自慢です」とはにかむ。


■舞台は途中で止められない


 映画の舞台は演劇の街、東京・下北沢。6人の若者が初舞台に意気込む中、本番1カ月を前に突然、公演中止が決定する。諦めきれない者、次を見据える者、それぞれの苦悩と葛藤が交錯しながら1カ月が過ぎ、6人は降りしきる雨の中、観客が誰もいない劇場へと向かっていく。


 という映画オリジナルのストーリーに、彼らが舞台で演じる予定だった英劇作家のサイモン・スティーブンス作「MORNING」の場面が交錯。さらに2人組のラップユニット、MOROHA(もろは)が彼らの心情をその場で表現する仕掛けが随所に登場する。これを74分間、全く途切れさせずに一発で撮影したのだから、見事というほかない。


 「ワンカットは特に狙っていたわけではない」という松居監督によると、映画化のきっかけは、自身が演出する予定だった「MORNING」の公演が、実際に本番2カ月前に中止になったことだ。2年ほど準備していたこともあり、最初は落ち込んだり悩んだりして大いに泣いた。


 そんなとき、旧知の間柄だったMOROHAのラップ担当、アフロに「今、表現しないと、その悔しさって半年たつとなくなっちゃうよ」と言われた。


 「中止になった悔しさをそのまま表現できる方法って、舞台が中止になったという映画を作ることだなと思った。舞台は開演したら終わるまで止められない。始まったら役者が責任を持って最後までやらなければいけないし、そんな舞台的なアプローチを映画でしてみたいと考えました」


■生きている、という実感


 こうしてワンカット一発撮りという画期的な映画作りがスタートする。脚本を書き始めたのが昨年2月。公演は3月に2週間、下北沢の本多劇場で予定されていたが、劇場はその間、使われないで空いている。だったらそこで撮影しようとゴールを設定し、脚本と並行してキャストのオーディション、稽古、カメラの打ち合わせなど、怒涛(どとう)の1カ月が過ぎた。


 「不安もなかったし、かといって楽しみというのでもなかった。ただただ個人的な悔しさから、この感情を刻みつけるような思いで取り組んでいた。生きている、という感じでしたね」


 主な出演者6人のうち、主演の森田想(こころ)の親友役を演じている田中怜子は全くの演技未経験者だった。「オーディションで、『やりたいから大阪から受けにきました』と言っている彼女の目がすごくよかった。初期衝動で動いている人の目を見たら揺さぶられるものがあります」と振り返る。


 撮影の塩谷大樹らスタッフとも綿密に打ち合わせ、ついに撮影本番の日がやってきた。ところが朝からあいにくの雨。1カ月の時間の経過を表現するため、雨降らしのスタッフを用意して、雨は最後に稽古場から劇場まで移動するときに降らせる予定だった。「終わった」と思った。


 「それが前半の方で稽古場から外に出たときは雨がやんでいて、最後に『雨が降ってきたね』というせりふのときだけ降ってきた。映画の神様が降りてきたと思いましたね」


■よくわからないけど面白い


 中学高校のころは漫画家や芸人を目指していた。漫才のコンクール「M-1グランプリ」も受けたが、何度も落ちた。きっと演技力がないせいだ。そう思った松居青年は、慶応大学に進学すると演劇サークルに入り、芝居の面白さに目覚める。「面白くなる要素をどんどん足していって、面白いねといわれると自分が肯定されたような気持ちになる。こんな自分でも表現していいんだと思えた」


 一方で、演劇仲間に内緒で自主映画を制作。2012年に「アフロ田中」(主演・松田翔太)が公開されると、以後は毎年のように劇場映画を監督する機会に恵まれている。


 「舞台では限界があるなと思った題材などは映画にしたい。でも浮気しているという気持ちもあり、舞台をやっているときは映像の話はしないし、映像の現場では舞台の話をするのは失礼だと思っていた。『アイスと雨音』ではそれが一緒になっていて、どっちの顔をしたらいいかわからなくなっていましたね」


 昨年の東京国際映画祭で上映されたが、感度の高い観客が多く、耳に入ってくるのは肯定的な意見ばかりだった。それはそれでうれしいが、一般の声が聞ける劇場公開では、また別の期待感がある。


 「映画っぽい映画とか舞台っぽい舞台はあんまり好きじゃない。よくわからないけど何か面白い、という方が僕は作りたいし、結果的にいつもそういう作品になっている感じがする。このメンタルのままじゃ売れないなとも思いながら、でも自分の気持ちには嘘はつきたくないですからね」ときっぱりと言い切った。(文化部 藤井克郎)





 「アイスと雨音」は、3月3日から東京・渋谷ユーロスペース、24日から名古屋・シネマスコーレなど、全国順次公開。


 松居大悟(まつい・だいご) 1985年、福岡県生まれ。慶応大学在学中に劇団ゴジゲンを結成。2009年、NHKドラマ「ふたつのスピカ」で脚本家デビュー。映画は自主制作で短編を手がけた後、12年に「アフロ田中」が劇場公開される。その後、「自分の事ばかりで情けなくなるよ」(13年)、「スイートプールサイド」(14年)などに続き、「ワンダフルワールドエンド」(15年)がベルリン国際映画祭に出品。「私たちのハァハァ」(同年)はゆうばり国際ファンタスティック映画祭で2冠に輝き、「アズミ・ハルコは行方不明」(16年)が東京国際映画祭コンペティション部門に出品と、期待の若手監督として高い評価を受けている。またロックバンドのクリープハイプやチャットモンチー、銀杏BOYZのミュージックビデオでも知られる。

提供元:Yahooニュース
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