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「生殖能力を持つヒューマノイド」が浮き彫りにする、現代女性の結婚・出産における抑圧(現代ビジネス)

 人間がヒューマノイド(人型ロボット)に恋をし、そのヒューマノイドとのあいだの子を宿してしまったらどうなるのかーーという斬新な設定のSFサスペンス『12ヶ月のカイ』が、7月22日から池袋のシネマ・ロサで2週間限定で公開中だ。

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 世界9カ国、22カ所の映画祭にて13の賞の受賞および多数のノミネートを果たしている本作。筆者は2年前の2021年にプレス試写で一度観ているのだが、今回、7月22日より都内の劇場で初上映されることを知り改めて観たところ、2年前よりずっとこの物語が身近に感じられたことに驚いた。それは、ChatGPTをはじめとするAIの一般社会への浸透によるところが大きいだろう。

 脚本・監督を手掛けた亀山睦木氏は、これから結婚・子育てを経験する人が子育て家庭を見学する「家族留学」をテーマにした前作『マイライフ、ママライフ』とほぼ同時期に本作を制作している。ただのSF作品にしたくはなかったという亀山監督が本作に込めた思いについて聞いた。

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『12ヶ月のカイ』あらすじ
WEBデザイナーとして働くキョウカ(中垣内彩加)は、日常生活を共に送れるヒューマノイド「パーソナル・ケア・ヒューマノイド」(通称:PCH)のカイ(工藤孝生)を手に入れる。キョウカとの会話を重ね、持ち主について徐々に学習していくカイ。キョウカはやがてカイに「物として以上の感情」を持ち始めるが、ついには、ヒューマノイドの間に命を生みだしてしまう。予期せぬ事態に、キョウカは友人たち、母親、そしてもうひとりのPCHオーナーのシンとの対話を重ね、急速に変化する現実に翻弄されながらも未来を決めていく。
---------- キョウカのもとにやって来たヒューマノイドのカイは、持ち主である彼女を幸せにするのが役目。そのためには、キョウカを理解するためにたくさん質問をし、彼女の話に傾聴する。そうして彼女の言動、ふるまい、反応のデータを蓄積して分析し、キョウカを幸せにする。

 亀山監督は映画の中でロボットを「パーソナル・“ケア”・ヒューマノイド」と名づけているが、その意図は何なのだろうか。

 「ヒューマノイドであるカイの製品としての大きな目的は、持ち主の要望に応えること。相手の立場に立ち、相手が必要とすることを察して行動するのは“ケア”だと考えたんです。カイは持ち主のキョウカのことをどんどん学習していくので、キョウカにとってどんどん心地のよいケア要員になっていく。とはいえ映画には、それが変わってしまう転換点があるのですが」(亀山監督、以下同)

 その転換点については映画を観てほしいが、カイがプログラミングされている“ケア”は、まさに最近よく批判されている「有害な男らしさ」から欠落しているクオリティである。

 ただ、亀山監督は本作でジェンダー問題を提起したかったわけではない。「AIツールが普通のガジェットとして浸透してきた現在、日常の延長線上に近未来的なヒューマノイドがいたら、人間関係にどんな影響を与えるのか」という思考実験をしてみたかったのだという。

 人間のように過去のトラウマ、偏見、エゴや痛みを持たず、持ち主を幸せにすることだけをプログラミングされたヒューマノイド。私たち人間への影響は正か負か、本作を観ながら考えてみてほしい。

提供元:Yahooニュース
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