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奈良岡朋子は年を重ねても艶を失くさなかった稀有な俳優だった(佐高信)(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【佐高信「追悼譜」】
奈良岡朋子(2023年3月23日没、享年93)
◇ ◇ ◇
「寅さん一家」がまた一人お別れ…佐藤蛾次郎はアラカンを師と仰いだ(佐高信)
従弟の結婚式から半世紀経ったいまでも、奈良岡のスピーチの語り出しが忘れらない。
「役者は脚本がなければセリフが言えないんですが・・・・」
その後をどう続けたのかはまったく記憶に ないのだが、洒落たことを言うもんだなと20代の私はいたく感心したのである。
しかし、80歳近くなると、彼女はいつもスピーチをそう始めていたのかもしれないな、などとも思ってしまう。
なぜ、従弟の結婚式に彼女が出ていたかというと、作曲兼編曲家の若草恵こと斉藤徹の相手が『奇跡の人』のヘレン・ケラー役だっだからである。私の母の妹が従弟の徹の母親という関係で、私は披露宴の末席に列なっていた。
『奇跡の人』では彼女は三重苦のヘレン・ ケラーと壮絶な格闘を演じ、生傷が耐えなかったらしい。苛立って暴れる少女ヘレン・ケラーに負けずに生きる力をを与えようとする家庭教師役が奈良岡の役だった。演劇はある意味で格闘技なのだ。
昭和4年まれで、洋画家だった父親の影響で女子美の洋画科に進んだが、舞台美術に興味を持ち、民芸に入った。宇野重吉や滝沢修のいた劇団である。
彼女より3歳下で早稲田に学んだコラムニ ストの青木雨彦が、彼女が女子美を受ける前に早稲田を受験して落ちた話はマル秘かと彼女に尋ねている。学科試験には合格したが、身体検査の時に、
「こんなガリガリじゃ、とても男子と伍してはいけないよ」
と言われてハネられたという。
「それが、一度も病気らしい病気もしないで、こうして生きているんですもんね。あの試験官に塗ったら、もう一度、この体を見せてやりたいわ」
と言いながら、彼女はポンと胸を叩いて、青木にゴクリと唾を呑み込ませたとか。
彼女も青木も50歳目前の頃の話である。
インタビューで二度目に会って、青木は、
「いい女だなア」
と溜め息をついた。彼女は
「すこしオカしいんじゃないんですか?」
と軽くいなし、
「夜道、歩けないなア」
と青木をにらんだ。横浜生まれの青木と東京生まれの奈良風の小粋なヤリトリである。
テレビでは東芝日曜劇場の『おんなの家』の3女役が評判になった。杉村春子と山周久乃が姉役で、彼女はいわゆる嫁かず後家。ちょっとトボケた感じがいい。青木がそう言うと。 「ああ、あれ?」
と彼女は美しい眉を吊り上げて、
「あの役だけは、おっかさんでもないし、おばさんでもない。姉さんですもんね。あたしもそこが気に入っているんです」
と大笑した。
年を重ねても艶を失わない人は珍しい。彼女はそれを失くさない人だった。(敬称略)
(佐高信/評論家)
提供元:Yahooニュース

