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映画「GOLDFISH」主演・永瀬正敏が語る“老いの演技”の葛藤「走るのは正直きつい(笑)」(日刊ゲンダイDIGITAL)

 80年代を駆け抜けた伝説のパンクバンド「亜無亜危異(アナーキー)」のギタリスト・藤沼伸一の初監督作品「GOLDFISH」(太秦配給)が3月31日から公開されます。自身のすべてをモチーフにしたという本作は、人生の折り返し地点を迎え、葛藤しながら居場所を求めて苦悩する男たちの物語。主人公・イチを演じた永瀬正敏さんに自身の“現在地”も踏まえ、話を聞きました。

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  ◇   ◇   ◇

 ――イチは藤沼監督自身がモデルとなっていますが、監督とはどんな話をしましたか。撮影現場の雰囲気も教えてください。

永瀬正敏(以下、永瀬) 作品や演技について詳しく話した記憶はなくて、それよりも一緒にご飯を食べたり、ギターのピックをもらって使ったり、近くにいて監督の雰囲気を感じるようにしていました。撮影現場はめちゃくちゃ楽しくて、笑いが絶えなかったですね。バンドメンバー役のみなさんともくだらない話で盛り上がって、本当に昔からの知り合いのようでした。

 ――くすぶった思いを抱えるイチについてどう感じましたか。

永瀬 イチは30年ぶりにバンドを再結成しますが、若い頃のようにうまくいかなくてメンバーともすれ違う。そんな仲間との関係性はバンドマンに限らず、年をとって家庭や仕事など背負うものが増えた大人には共感できるところが多いですよね。 ――中年期にアイデンティティーが揺れ、心の葛藤が起きる「ミッドライフクライシス」は本作の大きなテーマですね。誰もが避けられない「老い」を永瀬さんはどう考えていますか。

永瀬 僕も体力的な衰えはあるし、走るのは正直きつい(笑)。でも、できなくなることがある一方で、年を取ることでしか表現できないものもある気がしていて……。職人の役をやるときはその道の方に教わることも多いのですが、そのままマネするだけでは、時間をかけて積み重ねたものにはかなわない。そこに演じ手としての経験と糧を合わせて、化学反応させていく作業は醍醐味であり、どの現場においても新鮮です。過去を否定すると生きづらいので、何歳になっても楽しみながら、たくさんの作品に出られたら本望ですね」

 ――今年でデビュー40周年、多くの映画やドラマに出演されてきましたが、ご自身で振り返っていかがですか。

永瀬 40年やっても『これでいいだろう』と満足することはありません。僕はいまだに自分の作品は客観的に見られなくて、つい自分のアラを探してしまいます。きっと相米監督のせいですね(苦笑)。

 ――それは意外です。相米慎二監督とはデビュー作「ションベン・ライダー」でご一緒されていますね。

永瀬 僕は相米監督にいつかOKと言わせるのが役者としての目標でした。でも、一度もOKをもらえないまま監督が旅立ってしまった。監督には「まぁ、こんなものだろう」と言われたままです。だから『次こそは』と思えるし、自分を育ててくれた映画の世界には、他とは違った特別な思いがあります」

■僕の原点はやはり映画

 ――コロナ禍では、過去の作品や映画をたくさん見ていたそうですね。今後について考えることもありましたか。

永瀬 はい。家から一歩も出なかったけれど映画を見て救われたし、友達もメッセージをくれたりして、すごく励まされました。イチにとっての原点が音楽であるように、僕の原点はやはり映画です。今後は志を共にする仲間とスクラムを組んで、新しい作品を作りたい。若い頃は一人で突き進むこともありましたが、みんなで一緒にやる楽しさを感じられるのは、積み重ねた40年のおかげです」

提供元:Yahooニュース
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