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カルーセル麻紀ひさびさTVに…NHK「アナザーストーリーズ」を見て考えさせられたオネエの系譜(桧山珠美)(日刊ゲンダイDIGITAL)

【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

 久々にカルーセル麻紀がテレビ出演しているのを見た。1月27日放送「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」(NHK)だ。この日のテーマは「“オネエ”たちは闘った~知られざる勇気の系譜~」だった。

槙原敬之も…タブー打破した最大の功労者はおすぎとピーコ

 番組は昨今人気のオネエたち、IKKOやはるな愛にスポットを当て、その活躍の原点にはオネエのパイオニア・カルーセルがいたという流れ。男らしさを求められる炭鉱の町、福岡県筑豊で生まれたIKKOがカルーセルの姿を見て、突き抜けたものがあれば自分も認められると、美容学校に行き、美容室で働いてやがて女優のメークを手掛けるようになったうんぬん。はるなは物心ついた時から性同一性障害に悩み、自分は女の子と思って生きてきたが、カルーセルの生きざまが女性になる夢を見させたうんぬん。

 それにしても壮絶なのが麻紀。北海道釧路で生まれたカルーセルは三島由紀夫の「禁色」を読み、自分が同性愛者であることに気づいた。家出を繰り返し、17歳で銀座のゲイバーで働き、22歳で「日劇ミュージックホール」の舞台に立ちマスコミの寵児になった。1973年に、モロッコで性転換手術を行った話はあまりにも有名だ。カルーセルが偏見や差別と闘って道を切り開いたおかげでいまのオネエたちが活躍する地盤ができたことがわかる。

 番組はもう一人、独自の立ち位置から本音トークで一時代を築いたおすぎとピーコのピーコにもインタビューする。「美輪明宏さんとかピーターさんとかキレイでしょ。アタシたち、汚いオカマだったの」とピーコ。コメンテーターとして辛口コメントで人気の高いピーコの路線はマツコ・デラックスやミッツ・マングローブが継いだということか。

 りゅうちぇるとか、ぺえとか、りんごちゃんとかKABA.ちゃんとか、次から次へと出てくるキャラに、こちらの意識が追い付かないほど。

 実はこの番組、2017年2月8日にBSプレミアムで放送されているものに手を加えて、再び放送したものだった。当時のナビゲーターは沢尻エリカで、その部分を現在のナビゲーター・松嶋菜々子でとり直し、別物として放送したのだ。だから、はるな愛もIKKOも若い。

 それに気づいたのは冒頭の池袋サンシャインシティでのイベントの様子だ。はるな愛が歌っている映像の右下に一瞬だけ、「17年撮影」というテロップが出たから。

 カルーセルもおすぎも、ほぼ6年前の映像ということになる。沢尻を松嶋にする手間をかけるより、ピーコやカルーセルの今を見せて欲しかった。

 余談だが、一言。この番組に限ったことではないが、NHKはBSで放送したものを焼き直したり、レギュラー放送をすぐに再放送したりわかりにくい。何もアナウンスがないのはどうかと思う。

(桧山珠美/コラムニスト)

提供元:Yahooニュース
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