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「親子ではない家族」育てている子を無条件に肯定したい切なる願い(レビュー)(Book Bang)

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寺地はるな『わたしの良い子』は、甥っ子の朔とふたりで暮らす30代前半の椿が主人公。未婚のまま朔を産んだ椿の妹・鈴菜は、朔が2歳のとき恋人を追って沖縄へ行き、それから4年以上が経っている。養育費は振り込まれるものの、鈴菜が戻ってくる気配はない。
朔は行動がゆっくりだ。小学校にあがっても、ひらがながうまく書けない。一人で集団登校のための集合場所へ行けない。育てやすいとは言えない朔に辛抱強く接しながら、椿は常に自問を胸の内に響かせている。
伯母に育てられている朔はかわいそうなのだろうか。実の子でない子を育てていると、なぜ周囲は勝手に感心したりたしなめたりするのか。ままならない日常に、職場の上司の無神経な言葉や恋人との将来に対する不安が入り込む。朔に対するもどかしさも加わって、答えの出ない問いは増えていくばかり。その問いの根っこにあるのは、朔というこの小さな子を無条件に、まるごと肯定したいという切なる願いだ。椿の心の現在地を映し出したタイトルにじんわりと胸が熱くなる。 親友の英弘と同居し、彼の息子を育てる毅、元夫の娘と暮らした日々が忘れられない律子、独立した二つの中編を収めた鷺沢萠の『ウェルカム・ホーム!』(新潮文庫)は、平成中期の忘れがたい作品。「親子ではない家族」の紐帯とも言える、相手を想う気持ちの尊さを、陽の気を放つ文章が力強く描き出す。それぞれが向いてる分野で役に立てばいい、という英弘の言葉のまっとうさが、作品全体を明るく照らしているようだ。 自宅前に置かれていた赤ちゃんの養育費を、カリスマホストがクラウドファンディングで集めようと画策するけれん味たっぷりの一作は、海猫沢めろん『キッズファイヤー・ドットコム』(講談社文庫)。〈みんなで協力できれば、子育ては楽になる〉という、シンプルかつ思惑に満ちた理想は実現するのか。劇画調の表題作から六年後の続編には一転して静けさが漂っていて、ある人物が「ぼくらはなにかを変えられるかな」と口にする場面が印象的。
[レビュアー]北村浩子(フリーアナウンサー・ライター)
新潮社 週刊新潮 2022年10月20日 掲載
提供元:Yahooニュース

