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三遊亭円楽が話した笑いのコツ「皆が大笑いするタイミングで息を吐いているんだよ」(城下尊之)(日刊ゲンダイDIGITAL)

城下尊之【芸能界ぶっちゃけトーク】

 三遊亭円楽さんが肺がんのため、9月30日に亡くなった。72歳だった。お互いに若い頃、同じ番組にレギュラー出演していて、毎週、顔を合わせてお世話になった。

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 この連載コラムでも何度か彼の人柄などを伝えてきた。“腹黒キャラ”が売りだった円楽さんは、若い頃から控室などで悪いことばかり話して周囲を笑わせていた。でも、人から嫌われない、不思議なキャラの人だった。

 ある時、まだ駆け出しの僕がスタジオを出ると、円楽さん、当時はまだ楽太郎という名だったが、「城ちゃん、ちょっと」と脇に呼んで、おもしろく伝える話し方を教えてくれた。弟子でもないのに、ありがたかった。しゃべりのシロートだった僕を見かねてのことだったろう。こんなこともあった--。

「その場の皆が一斉に大笑いすることがあるだろう。その時は皆、同じタイミングで息を吐いているんだ。それを目指して観客の呼吸を同じように合わせていくテクニックがあって……」

 僕が「噺家じゃないんで、そんな難しいことはできないよ」と言うと、「そりゃそうだ」と笑っていた。“ため”や“間”などを含め、プロは客席の吐く息まで考えて話をしているのかと驚いたものだ。

 円楽さんには、2つの“心残り”があると思っている。ひとつは、東京4団体(落語協会、落語芸術協会、落語立川流、円楽一門会)、大阪1団体(上方落語協会)の落語団体をひとつに合わせたいという思い。15年前から国内最大級の落語イベント「博多・天神落語まつり」をプロデュースし、毎年、各団体の有名どころが数日間、数カ所の会場で落語会を開く。これを続けていって落語界をより盛り上げたいという気持ちを持っていた。

 2つ目は、自分の師匠.5代目三遊亭円楽さんの、さらにその師匠の6代目三遊亭円生さんの「円生」名跡のことだ。1979年に円生師匠が亡くなり、誰も継いでいないことを残念に思い、自分がワンポイントで襲名して次世代につなぎたいとしていた。今後は、円楽さんの長男・会一太郎(三遊亭一太郎)も噺家だし、兄弟弟子や一門でがんばって遺志を継いでいってほしいものだ。

 ところで、10月1日にアントニオ猪木さんも死去した。僕は「闘魂注入ビンタ」の取材に行ったくらいしか接点はないが、猪木さんの最後の妻・田鶴子さんとは多少の縁があった。若い頃はTBSの番組宣伝部のスチルカメラマンで、故・川島なお美さんの事務所社長を経て、猪木さんの写真集を出したことがきっかけで結婚した。彼女は3年前に亡くなっているが、縁がある人が立て続けに亡くなって僕もショックだ。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)

提供元:Yahooニュース
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