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キラー・カーンさん「警察は謝罪できないのか」 自転車ひき逃げで書類送検も不起訴に【あの人は今こうしている】(日刊ゲンダイDIGITAL)

【あの人は今こうしている】

 キラー・カーンさん(元レスラー/75歳)

 力士からプロレスラーに転向し、1970~80年代、日米でヒールとして活躍したキラー・カーンさん。引退後は俳優業や飲食店経営などをしていたが、経営していた飲食店は昨年5月に突然、閉店。さらにこの春に、S字結腸がんを公表しファンを驚かせた。カーンさん、今、どうしているのか。

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 ◇  ◇  ◇

 カーンさんに会ったのは、東京・新宿にある喫茶店。ここは昨年、閉店した居酒屋の近くで、住まいもこの近くだという。

「もう20年ぐらい、この近くに住んでいます。今はやることがないから、お昼ごろ起きて、シャワーを浴びてブラブラし、この店にもよく来ていますよ。コーヒーを飲みながら時間をつぶしています」

 カーンさん、まずはこう言った。

■収入ゼロ!「雇われ店長でも何でもやりますから、雇ってくれませんか」

「去年、店を閉めた後、すぐ別の場所で店をやるつもりで、いい場所がないか探し始めたんです。でも、もう75歳でしょ。保証人をつけろだなんだ、と言われ、なかなか借りられなくてね。弱っちゃった。自分の店を持つのがダメなら、雇われ店長でも何でもやりますから、雇ってくれる人はいませんか。歌手の知人がたくさんいるからショーもできるし、オレも歌えますよ。2年前、『カンちゃんの人情酒場』って演歌のCDも出しましたから」

 カーンさん、かなりカネに困っているようだ。

「だって、収入がゼロだから。それでも家賃、食費、光熱費とかは出ていくでしょ。もっと安い部屋に引っ越そうにも、これまた年齢が壁になって借りられない。貯金なんてありません。国からもらった事業復活支援金を取り崩して、何とか生活しています。なるべく切り詰めて、売れ残りの40%オフの弁当を買い、温めて食べています」

 知人が飲み食いに連れて行ってくれたり、総合格闘技団体「DEEP」が単発のイベントスタッフとして雇ってくれたりすることはあるという。

「昔からの友達の毒蝮三太夫さんはビール券をたくさんくれました。助けてくれる人が大勢いることを思うと、オレは幸せモンかもしれませんね」

 懐は厳しいが、顔の色艶は良く元気そう。がん患者には見えない。

「この4月に血便が出てS字結腸がんとわかり、すぐ入院して腹腔鏡下手術を受けました。早期だったから、もう食欲も戻って元気ですよ(笑)。10キロ体重が落ちましたけど、お腹が引っ込んでかえって良かった。ただ、経過観察の検査で両脚の付け根に大動脈瘤が見つかり、7月にもまた手術を受けました。だから、退院後はなるべく歩いたり、家の中では足首を動かしたりして、自分でリハビリしています」

■家族は米国に…「オレはこのまま日本で生きていくつもり」

 家族の支えが欲しいところだが、27、28歳の頃に結婚した米国人女性と2女1男の子供たちは米フロリダ州在住だ。

「家族を呼びたくても、今のオレにはそんなカネはない。フロリダにはオレが建てた家があり、女房と37歳の長男はそこに住んでいるから、家族は『帰ってこい』と言ってくれる。でも、アッチは公的医療保険制度がないから、医療費がバカ高くてとても暮らせない。それに、女房が日本での慣れない暮らしにまいって、子供を連れて帰国してから、もう36年以上会ってない。電話はしょっちゅうしてるとはいえ、手ぶらでいきなり帰れないよ。オレはこのまま日本で生きていくつもりです」

 長女が結婚し、2年前には初孫の男の子が誕生。孫に会いたい気持ちをグッと我慢し、まずは仕事探しなのだ。

 さて、新潟出身のカーン(本名・小沢正志)さんは、高校を中退し春日野部屋に入門したが、71年、スカウトされ、力士を廃業して日本プロレスに入門。モンゴル人に扮した辮髪にヒゲ姿で、日米で活躍し、とくに米国では、マディソン・スクエア・ガーデンなど大会場のメインの試合でヒールとして、大歓声のなか戦った。

「ところが、ファイトマネーが少なかった。9割中抜きされてたって後で知りました。オレはカネのことでグチャグチャ言うのは大嫌いだから、文句を言わなかったけどね。周りには大金を積まれて、信念を曲げるヤツもいた。ほんとプロレス界はカネ、カネの世界。それに嫌気が差して、40歳でスパッと引退したんです」

 嫌気が差したといえば、居酒屋を閉店したのも、コロナ禍の客減に加え、街に嫌気が差してしまったからとか。

「店を閉める1年前、自転車でひき逃げをした、と書類送検されたんです。20代の女性が歯が折れたって警察に言いつけてね。でも、まったくの濡れ衣。警察は被害をちゃんと確認もせずに、頭からオレが悪いと決めつけて取調室で怒鳴りつけるんですよ。事件が大きく報じられ、店にいたずら電話がきて、街でも道路越しに『当て逃げハゲー!』って叫ばれ、ノイローゼになって自殺まで考えた。でも結局、不起訴ですよ。オレは嘘をついたりしない。75年間、真面目に生きてきた。だから、悔しくて悔しくて……。不起訴になったんだから、警察には一言謝罪ができないのか、って言いたいよ!」

 怒りはとてもおさまらないようだ。

(取材・文=中野裕子)

提供元:Yahooニュース
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