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『ちむどんどん』中原中也の詩が代弁する重子の寂しさ 弱気の暢子に良子が“恩返し”(リアルサウンド)

 『ちむどんどん』(NHK総合)第18週が幕を開けた。暢子(黒島結菜)と和彦(宮沢氷魚)の結婚をめぐる騒動も3週目に突入。

【写真】暢子を励ます姉の良子(川口春奈)

 頑なに反対の姿勢を崩さない和彦の母・重子(鈴木保奈美)の心を動かすものとは。第86話では、和彦がついにその糸口を見つける。

 三郎(片岡鶴太郎)の活躍により平和が戻ってきた「アッラ・フォンターナ」。が、かつて互いの幸せを思って別れを選択した三郎と房子(原田美枝子)の再会は果たせず、暢子は大切な人を集めた披露宴をフォンターナで行うことを決意する。

 一方で、重子が言うように、暢子が結婚相手では和彦を不幸にしてしまうのではないかと不安を抱き始めていた。何よりも“家族”が大切な暢子にとって、自分の存在が和彦と重子の仲を引き裂く要因になってしまうことは耐え難いのだろう。

 そんな暢子を支えるのも、やはり家族だ。フォンターナの危機に駆けつけた姉の良子(川口春奈)はその理由を“恩返し”だと語る。子どもの頃からしっかり者で、両親からも頼りにされてきた良子。一方で、彼女が限界まで悩みを抱え込んでしまう性格であることも家族は理解し、見守ってきた。

 何があっても家族が味方をしてくれたから、今がある。だから今度は自分が、と良子は「暢子には値打ちがある」「うちの大好きな自慢の妹」と湯水のごとく溢れ出る愛で自信を失った暢子を包み込んだ。

 かたや、和彦はそういう愛で溢れた家庭を知らない。研究に没頭すると周りが見えなくなるタイプの史彦(戸次重幸)と、その夫に「世間知らずな女だと見下されていた」と感じていた重子。和彦はそんな事情をつゆ知らず、尊敬する父親の方にばかり加担してきた。 加えて、暢子を馬鹿にされたことに激高し、ひどい言葉で重子の人生を否定してしまった和彦。だが、重子がその時見せた悲哀に満ちた表情を彼は忘れられないでいた。刺々しい重子の言葉や振る舞いに隠された本当の思い。それを和彦に伝えたのは、重子がいつも嗜んでいる中原中也の詩だ。

〈私の魂はただ優しさを求めていた。それをそうと気付いてはいなかった〉
(中原中也『聖浄白眼』より)

 このフレーズで、和彦は重子の中にある寂しさを知る。父親も自分も重子に“理解”を求めるばかりで、彼女を“理解”しようとしてこなかったことに気付いたのだろう。不器用なだけで、ずっと重子は2人を心で愛し続けていた。

 そんな重子に、和彦は「母さんがずっと僕を愛してくれたから、今僕は人を愛することができる」と感謝を述べながら同居を提案する。もう史彦が亡くなってしまった今、3人で家族をやり直すことはできない。だから、暢子を加えた新しい家族として出発しようというのだ。

 少々ズレた突拍子もない提案だが、息子から初めて優しさを注がれた重子の表情にはたしかな心の揺れが見えた。そこに、房子が考えついた「おいしくないもの」がダメ押しとなって大団円を導くことになるのだろうか。

提供元:Yahooニュース
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