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その昔、吉田拓郎の自宅を張り込んでいると…「警察かと思った」とホッとされ(城下尊之)(日刊ゲンダイDIGITAL)
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城下尊之【芸能界ぶっちゃけトーク】
前回、大物歌手のコンサート引退の話をしたが、その中で、年内で芸能活動終了の意向だと報じられている吉田拓郎(76)の名前も挙げた。
加山雄三、吉田拓郎引退報道で思い出す…タレントの「衰え」とは何なのか?
個人的には学生の頃に吉田の「ペニーレインでバーボン」という楽曲が好きで、芸能の取材をするようになってからも吉田は気になる存在だった。
ところが、吉田をはじめとするフォークソングの大物たちは「テレビなんかには出ない」といった風潮があった。出演をしないくらいだから、テレビの取材など受けてくれるはずもない。非常に敷居の高い状況だったことを覚えている。
そんな時、吉田の現在の夫人である森下愛子(64)と結婚する前、まだほとんどの人がふたりの交際を知らない頃に、僕のところに「付き合っている」という情報が入ってきた。調べると、吉田が当時、神奈川県の一軒家に住んでいることを突き止めた。そして森下愛子がドラマの収録のために横浜のTBS緑山スタジオで仕事をしている時期で、スタジオと吉田の自宅が近かったこともあり、「仕事終わりに吉田のところへ行くのではないか」とカメラクルーを連れて中が見えないようフィルムを貼ったワゴン車で吉田の家が見える位置で張り込んだ。
日が暮れようとする頃、吉田がひとりで自宅から出てきて、明らかにこちらに向かってきた。僕が慌てて車を出て彼の前に立つと、「何か用ですか?」と尋ねてきた。
テレビ局名と番組名を名乗り、正直に「森下愛子さんが来るんじゃないかと待っていた」と告げると、吉田は笑い出し、「な~んだ。いや、警察が張り込んでるのかと思った。何でだ? と思って」と答えた。続けて「彼女はきょうは来ないよ。結婚とか何か決まったら、ちゃんと話をするから。心配しなくていいよ」と非常に気さくに語りかけてくれたのだ。
立ち話だったが、好印象だった。僕も調子に乗って「真っ先に教えて」と名刺を渡したが、もちろん結婚発表は各社に公平なものだった。
吉田の名前を耳にして、そんな昔の記憶を鮮やかに思い出した。吉田は自身の音楽活動を絶えることなく続けてきたが、他にレコード会社の経営経験もあり、さまざまな歌手に楽曲提供もしてヒット曲も多く存在する。「ペニーレインでバーボン」の歌詞に、〈陽気に生きていく事が 何んだかみっともなくもなるよね〉という一節がある。今も同じ気持ちだろうか……。自身の健康問題も何度も乗り越えているのだから、その才能を生かしつつ自分のペースで、新たな名曲をもっともっと生み出してほしい。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)
提供元:Yahooニュース