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デビューから6年…大人の俳優になった村上虹郎へ(日刊スポーツ)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

村上虹郎(23)の顔を久々に見て、大人の男の顔、俳優の顔になったと、つくづく感じている。村上の主演映画映画「ソワレ」(外山文治監督)が8月28日に公開された。その前後で何度か行われた会見に足を運び、取材し、実感した思いだ。

【写真】舞台あいさつに登壇する村上虹郎

最初に村上を取材したのは6年前。フランス・カンヌ映画祭に参加した時だった。村上は同映画祭コンペティション部門に出品された、河瀬直美監督の「2つ目の窓」で俳優デビュー&主演を果たし、父の淳(47)とも共演した。その村上父子に、メディアとして初の父子対談を申し込み、日本から約1万キロ離れたカンヌの地で取材が実現した。

淳は取材の中で、1年半前の12年に河瀬監督から「映画を撮りたい。取材させて。離婚して(母子が)島に移り住み、東京に父さんがいて、どういう心情かを教えて」と連絡があったと明かした。淳は06年に歌手UA(48)と離婚。UAは11年に息子の村上を連れて沖縄に移住していた。淳は同監督の取材を2回受けて、脚本になったものを手にした。中には、離婚後、離れて暮らす父子が描かれており、どう読んでも「主演が虹郎だろう」と感じたという。

村上は父の勧めを受けて、やる気になり、13年6月に留学先のカナダから帰国し、母の大反対を振り切ってオーディションを受けたものの落選。それでも、河瀬組の美術部に入って、冷蔵庫を洗うなどしているうちに主役に選ばれ、父との共演が決まった。

共演シーンは、居酒屋で父子が語り合う場面だった。村上演じる息子が「何で母さんと別れたの」と聞くと、淳演じる父が「ストレートな質問だな」と答えた。その会話などは、ほぼ全てアドリブだった。

村上 実はその質問は聞きたくなかったけど、監督から「聞け」と言われて。

淳 台本には書いてないが(監督から取材され、思いは)行間に書いてある。

村上は当時「何が分からないかも分からない」状態で演技していたと振り返った。一方、淳に、俳優の道を進む息子について聞くと「初出演&主演&初カンヌ。出来すぎ。この先の人生は、苦労と困難が待っている。でも同業者として、これほどの素材はないと感じた。自由にやればいい」とエールを送った。

それから6年。村上は「2つ目の窓」以降、長編22本(うち4本主演)、短編4本もの映画に出演。日本映画界において、若手の中でも実力派の俳優として、将来を嘱望される存在に成長した。「ソワレ」では、俳優として売れずオレオレ詐欺で食いぶちを稼ぐ中、故郷に帰って高齢者施設で演劇を教える翔太を演じた。ともに主演を務める芋生悠(22)演じる高齢者施設の職員タカラが、刑務所帰りの父から暴行、虐待を受けて刺してしまうと、タカラをかばい、逃避行の旅に連れ出す。タカラを受け止める翔太としての、徹底した受けの演技は、プロデューサーの豊原功補(54)とアソシエイトプロデューサーの小泉今日子(54)ともに、勉強する姿勢を含め、絶賛している。

村上は、翔太について「僕が演じた役は、芋生さんが演じたキャラクターより至って普遍的。自分も弱者として自覚はあるけれど、自分の才能、夢を持っている中で戦っている(キャラクター)。タカラは絶対的な弱者。翔太とタカラが出会ったのは、自分は本当に売れているのか、スターになるという思いが半ばくじけ気味の翔太を一瞬(タカラが)ヒーローにしてくれる瞬間、と僕は捉えた」と、自ら考察した役のポイントを語った。

俳優デビューした6年前、何が分からないかも分からないまま演技をしていた村上は、自ら演じる役に真正面から向き合い、分析、研究し、作り上げる役者に成長していた。6年前「虹郎君」と呼んでいた村上と、今度は大人の男同士として向き合って取材したい。第一声は、決めている。「虹郎さん、お久しぶりです」。【村上幸将】

提供元:Yahooニュース
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