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赤塚不二夫編<7>入院先の病院でもサンマを焼き、焼酎を飲んでいた【芸能記者稼業 血風録】(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【芸能記者稼業 血風録】#49
出会った頃にはすでに「アルコール依存症」だった赤塚不二夫氏(享年72)。元妻と離婚後、連日連夜の酒が要因といわれていた。
真知子さんと再婚したのは依存症を心配した“元ニョウ(女房)”と呼ぶ前夫人が、先生のアシスタントをしていた真知子さんを再婚相手として薦め、保証人にまでなってゴールインした。「元」と「今」の女房が大の仲良しという関係だった。こんな関係をつくったのも赤塚氏の魅力が成せるものだと思う。
「先生にお酒をやめさせるのは可哀想」と真知子夫人は完全に禁酒させなかった。飲み過ぎが続くとカラ嘔吐が頻発する。赤塚家ではこれを「ゲーゲー病」と呼んでいた。
その時は体内からアルコールを抜いて体内を清浄する「ウオッシュアウト」のために入院していた。特別個室で真知子夫人も看護生活をしていたが、この頃は看病にも余裕があった。
病院にお見舞いに行くと、「今夜、なに食べる」と自宅と同じ感覚で聞いてくる。病室内はIHヒーター付きのキッチンもあるので、料理が得意な夫人は簡単に調理。ちゃんこ鍋をすることもあった。看護師さんも「今日は鍋なの。おいしそう」と笑い、日替わりメニューを見て楽しんでいた。
秋の夜だった。「知人が築地からサンマを持ってきてくれた」と夫人はサンマを焼いてくれた。焼酎と一緒に「やはりサンマはうまい」と舌鼓を打っていた時だった。看護師が飛んできた。「すみません。魚を焼くのだけはやめてください」と注意してきた。IHでも魚を焼けば煙と臭いが出る。ドアの隙間から漏れて廊下に臭いが充満。他の部屋からクレームが入った。
ウオッシュアウト入院では先生の表情も明るく、院内を散策することもあったが、そう長くは続かなかった。
1997年、吐血で緊急入院。検査結果は食道がんだった。最初は民間療法を選択したが、2度目の入院で手術。不死鳥のように蘇った。自宅で行った退院会見で水割り片手に話すパフォーマンスで話題を呼んだ。
退院後は先生の新たな一面を見た。がんを克服したことで、テレビは「回復までの軌跡」と特番の申し出。出版社からは「がん克服を本にしましょう」と持ち込む話が殺到した。先生はすでにすべての依頼を断っていた。
「僕はね、自分の病気を商売にするほど落ちぶれてはいないよ」というのが理由だった。漫画家としてのプライドだった。赤塚氏を改めて敬服した。夫人もこう話してくれた。
「凄いでしょう、赤塚先生。普段はあんなバカなことを言って騒いでいるけど、漫画家としてのプライドは誰よりも強い。テレビの仕事は漫画の延長線上にあったけど、病気は明らかに違う」
取り囲む赤塚氏の仲間もその精神は共通している。タモリ、所ジョージ。立川談志も横道にそれることなく自分の進んできた道を貫き通している。
これでいいのだ! =つづく
(二田一比古/ジャーナリスト)
提供元:Yahooニュース