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元記者が語る木村花さんの素顔「責任感が強い、リングで育った女子プロの申し子」(日刊ゲンダイDIGITAL)

米動画配信大手Netflixやフジテレビで放送されている恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演したことでSNS上で誹謗中傷され、若くして世を去った、女子プロレスラーの木村花さん(享年22)。選手としての木村さんを知る、元「週刊ゴング」女子プロレス担当記者の伊藤雅奈子氏が“素顔の木村花”について語った。
◇ ◇ ◇
木村花さんは私にとって“キムラの娘”という認識だった。
母は元女子プロレスラーの木村響子(以下キムラ)。デビューは20代中頃と遅咲きで、すでに一人娘がいるシングルマザーだった。相手はインドネシア人で早々に離婚。花ちゃんは父の顔を知らなかった。
「ママ、がんばってー!」。館内に鳴り響く声はJWPの恒例となり、ファンや選手や関係者たちは近所の子供のように花ちゃんの成長を見守っていた。試合終了後、選手が売店やリング撤去に奔走している中、会場に投げられた紙テープを手にして縦横無尽にかけまわっていたのを今でも覚えている。花ちゃんはまさにリングで育った“女子プロの申し子”だった。
18歳で武藤敬司のプロレス総合学院に入学し、プロデビュー。2017年のキムラの引退興行では“母子タッグ”でリングに立った。長い脚から放たれる得意技のビッグブーツ、ミサイルキック、広い肩幅はキムラ譲り。セパレートのコスチュームが映える美しい腹斜筋も往年のキムラを彷彿とさせた。
19年にWRESTLE―1から美女レスラー揃いのスターダムに移籍。ポスターやホームページではセンターに立ち、団体の顔になった。近年、美形ヒール(悪役)は多いが、花ちゃんもそのビジュアルから、ラフファイトも様になった。
高齢のジャガー横田やダンプ松本がいまだ現役でいることもすごいが、体格、ルックスに加えて若さまで兼ね備えた逸材は、なかなかいない。花ちゃんは「次代のエース」と呼ぶにふさわしかった。
キムラは引退後、猪肉弁当を中心とした移動販売車「ピンクの猫バス」を始め、プロレスの試合会場前に出店した。
「紹介します。娘の花です」。キムラから改めて紹介された彼女は、まもなく20歳。当時の面影は残しつつも、エキゾチックで目力の強い瞳。見つめられると女の私でさえドキッとするほど、見目麗しい女性に成長していた。キムラに促され深々と、そして長く礼をした。
数週間後、別の試合会場に取材に行くと、彼女が駆け寄ってきて「先日はありがとうございました!」と深々と挨拶をした。たった1度しか会ったことのない私にでさえ、これだけ礼儀正しいのだから、皆に好かれるのは推して知るべしだ。数日後、プロレス会場付近で会ったキムラに「いい子育てをしたんやね」というと、「いえ、いえ」と恐縮した。
■その責任感が「テラハ」につながったのなら
事件後、花ちゃんは「テラハ」を辞めたいと明かしつつも、「次(4月)の大田区体育館までは頑張る」と漏らしていたという。女子プロの集客はいつの時代も至上命令。団体や選手はSNSを駆使して増員の可能性を模索し、選手は時に、不本意な内容の芸能の仕事も請け負う。
「自分が地上波に出ることでプロレス会場にお客さんが来るのなら」。花ちゃんの責任感が「テラハ」につながったのなら、悔やんでも悔やみきれない。国も悪質な投稿者を特定しやすくする方策を検討しているというが、一人娘を失ったキムラのような、遺族の心のケアもあわせて進めてほしいと心底思う。
“たられば”の話だが、もしもコロナ自粛がなければ、花ちゃんはSNSなどを気にせずにリングで輝き続けることができたのだろうか……。女子プロ界が失った宝は、あまりにも大きい。
提供元:Yahooニュース