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イッキ見しよう!『リラックマとカオルさん』は癒し?怖い?可愛いビジュアルとダークな内容のギャップが堪らないストップモーションアニメ(IGN JAPAN)

リラックマとヒロインとの、のほほん暮らし。さぞかし、清く美しい作品だろうな。タイトルから、そんな先入観をもつと、しっぺ返しを食らうぞ。ゆっくりと、ヒロインの顔に目をこらしてほしい。主人公のカオルさんは、アラサーの女性だ。どこか脱力した瞳。その頬には薄っすらと、ほうれい線。本作はスイートというより、ビターな味わいの作品なのである。
本ドラマは、約12分間×全13話で構成されている。コンパクトなエピソードなので、ランチタイムのひと時に最適。ストップモーションアニメという本作の手法においては、制作的にも、作劇的にも、ジャストな判断だとおもう。
物語は、季節に寄り添って、進行していく。第1話は、4月。はじまりの季節、春よりスタートし、夏秋冬と、カオルさんの1年間をユーモラスに描写していく。リラックマと、お仲間のコリラックマ、キイロイトリとの交流が、そこに加わる。
「イッキ見しよう!」画像・動画ギャラリー
エピソード単位では、『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』のように、季節の話題を織り交ぜたドタバタ劇となっている。ストーリーはもとより、数々のオブジェクトが、季節感を感じさせてくれ、その変化を見ているだけで、充分に楽しい。CG表現では味わえない、時候の温かみが表現されている。
ちょっと冴えないOLカオルさんとリラックマの共同生活。視聴者は、そんな彼女の人生に、スペシャルなことが起こるかどうか見守る。一般的なフォーマットでは、そうなるだろう。だが、本作の独自性は、リラックマの懐の広さにある。
リラックマは、意外にも、ずぼらで大雑把な性格だ。カオルさんがビンボーになった際には、「熊鍋にして、自分を食べてくれ」と謎の提案をする。その可愛いらしい身体も、梅雨のじめじめのせいで、キノコが生えてきたりと、ブラックユーモア漂う展開もある。もちろん、チャーミングさも兼ね備えている。ストップモーションアニメ故のぎこちない動きが、いっそう愛らしい。
ふさふさの毛並み、そして背中に揺れるチャック……チャック!?(中身はもちろん、ヒ・ミ・ツ)。おそらくは、平面のデザインにも存在していたのだろう。だが、目撃したとき、私は自分の目を疑った。見知ったリラックマのイラストは、おおむね正面から描かれたものだったから。リラックマの底知れなさに、オーマイガーである。
一方で、カオルさんのキャラクター造形も、面白おかしく装飾されている。少女趣味なヘアスタイル。お気に入りの靴で、犬のウンチを踏んだり。会社のエレベーターが故障して、ぐったりな出社。毎年恒例だった女友達の花見会には、年々、参加人数が減っていく。みんな、結婚したり、子供が生まれたり、外国へ行ったり……。その一方、カオルさんの生活は、ときめきに乏しく、なんとなく心が荒む。ネガティブオーラを隠しきれずに、やさぐれモード。
そんなカオルさんを演じるのは、多部未華子。ちょっと冴えないキャラクターと、彼女のお茶目さがぴったりと合い、相性は抜群。加えて、『かもめ食堂』や『めがね』の荻上直子のストーリーライン、そしてロックバンド・くるりの岸田繁の音楽。日本の映画・音楽カルチャーを下支えしてきた面々による、見事なコラボレーションが実現している。
カオルさんが仕事に行っている間、気ままに部屋を占領しているクセに、ペット扱いは嫌がる 。 なんとも堂々とした、リラックマとその仲間たち 。 彼らはまた、人間の私利私欲や、時間の観念にも囚われていない 。 人につきまとう雑念からも解き放たれて、自由を謳歌する 。 けれど、カオルさんが困っているときは、きちんと助けてもくれる 。 そんな優しさも、ドラマとして心地よい 。 アラサーを題材とした物語は、不充足感や、幸せへの欲求が描かれることが多い 。 カオルさんも、こんな可愛い居候たちがいるのに、ワンランク上の幸せを夢見る 。 まわりの人の成功が、妙にまぶしい 。 幸せを感じるなら、いっそ人生の伴侶となるパートナーだって、生身のヒトでなくても構わないはずだ 。 けれど、独自の道を歩くのは、どうしても怖い 。 私たちは、他人と同じになりたがってしまう 。 人間がややこしいのは、精神と身体のワンセットで満足を欲してしまう生き物だからだ 。 本作は、カオルさんの性欲にも言及する 。 やや露悪的であるけれど、そこがじわり泣ける箇所だ 。 人の拠り所である、<触れたいし、触れられたい>という接触願望 。 恋する女心を、コメディック・ロマンチックの絶妙な塩梅で描く 。
提供元:Yahooニュース