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自ら主演を強く希望し、実現したシリーズ 「剣客商売」(夕刊フジ)

【藤田まことが魅せる 時代劇の世界】
藤田まことにとって晩年のライフワークが、池波正太郎原作の『剣客商売』の秋山小兵衛だ。
無外流の達人・小兵衛(藤田)は道場を息子・大治郎(渡部篤郎、山口馬木也)に譲り、孫ほどの年の差の嫁おはる(小林綾子)とともに、鐘ケ淵の隠宅で悠々自適の暮らしを送っている。そこにさまざまな事件が持ち込まれ、小兵衛は大治郎や女武芸者の佐々木三冬(大路恵美、寺島しのぶ)、岡っ引きの弥七(三浦浩一)らとともに解決の糸口を見つけ出す。
ポイントは小兵衛が剣術も商売と割り切り、謝礼も美食も女っ気も歓迎という世慣れた人物であること。若いころ、かなりの遊び人としても知られた藤田には、小兵衛と響き合うものがあったのだろう。このシリーズは自ら主演を強く希望し、実現したという。
凶悪な辻斬りや誘拐犯、御家の不正隠匿のために放たれた刺客、邪剣を遣う魔物…小兵衛は悪人をただ斬り捨てるだけでなく、時にしかりつけ、時に三冬の父、老中田沼意次(平幹二朗)の手も借りる形で決着をつける。たとえば「手裏剣お秀」の回では、病の剣客と手裏剣が得意な娘・秀(遊井亮子)が旗本のドラ息子たちに狙われていると知った小兵衛が手助けをする。実戦の厳しさを教え、過去の因縁に縛られる秀を優しく諭す小兵衛。人生経験豊富な主人公だからこそできることだ。事件解決後、娘らしい姿でお礼に訪れた秀が、おはるが小兵衛の妻だと知ると驚いて立ち去る。隠居してもまだまだモテる。こんなおいしい役はない。
最後の作品『剣客商売スペシャル 道場破り』が放送されたのは、2010年、藤田が亡くなる10日ほど前だった。2年前には、病のため「剣客」の舞台を降板、平幹二朗が代役となって上演された経緯があり、藤田の復帰は喜ばしかったが、タフな立ち回りはゲストの中村梅雀や大治郎が引き受け、小兵衛は静かに腰かけているシーンが多い。時代劇の主人公は年をとらないことも多いが、このドラマでは大治郎と三冬が結婚、小兵衛は孫の小太郎にデレデレだった。
このシリーズのために建てた戸建ての隠宅セットでは、しばしば鍋パーティーも開かれたという。多くの共演者、スタッフに愛された“藤田小兵衛”は穏やかな笑みを遺して旅立ったのだ。(時代劇コラムニスト・ペリー荻野)
■藤田まこと(ふじた・まこと) 俳優、歌手、コメディアン。1933年4月13日~2010年2月17日。76歳没。時代劇やコメディーだけでなく、『京都殺人案内』シリーズや『はぐれ刑事純情派』シリーズ(いずれもテレビ朝日系)など現代劇でもヒット作をもつ。
提供元:Yahooニュース