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『鎌倉殿の13人』大泉洋演じる源頼朝が、あんなにも「エラそう」な理由(現代ビジネス)

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開始早々から賛否両論が飛び交っている今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。大泉洋が演じるやけに軽いノリで威張り散らす源頼朝や、北条政子をはじめ自己主張の強い女性たち…。当時の人々は、本当に“あんな感じ”だったのでしょうか? 
講談社学術文庫の新刊『源氏の血脈―武家の棟梁への道』の著者である中世史研究者の野口実氏が、歴史学者の視点から『鎌倉殿』を読み解きます。
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【写真】「エラそうな源頼朝」を好演している大泉洋 今年の大河ドラマはおもしろい。一部の研究者からは「ここまで品格のない大河は見たことがない」などという批判も聞こえるが、それは演出上の問題で、ストーリーや社会風俗の考証は相対的にはよく出来ていると思う。

 だいたい日本史研究者の中には、歴史に興味をもつきっかけが大河ドラマだったという人が多い。織田信長は高橋幸治、平清盛は仲代達矢、といった具合に、彼ら彼女らの脳裏にある研究対象とする人物や社会の「情景」は、けっこうかつて放送された大河ドラマに支配されているのである(俳優の名前で世代も分かる)。だから、すこしは謙虚な気持ちで視聴するのがよい。

 とはいえ、歴史の研究は社会還元されてこそ意味を持つ。大河ドラマを「ただの娯楽番組だから、どんな筋立てになろうと知ったことではない」などと言って放っておくのは、研究者として正しい態度であるとは思えない。そこで、今放送中の大河ドラマの内容について、この時代を専門にしている立場から口を挟ませて頂こうと思う。 今回の大河ドラマのタイトルは「鎌倉殿の13人」というのだが、これがまず意味不明であった。「13人」とは何か。ここで少しばかり歴史の知識のある者ならば、頼朝の死後、2代目の鎌倉殿になった頼家の過剰な独裁を阻止するために13人の有力御家人による合議制がとられたことが思い出されるだろう。

 しかし、この13人は武士だけではないし、あまり有名でない人物が多く、いったいどんなストーリーが組み立てられるのかと心配してしまうのだが、それはともかく、このドラマを見て「いいな」と思ったのは女性の取り上げ方である。小池栄子の演じる政子や宮沢りえの演じる牧の方(劇中の名は「りく」)が夫や弟、父親に対して堂々とものを言って元気がいい。

 どうも、多少歴史を知っていると自負する方たちはこれが気に入らないらしい。かまびすしく自己主張をする女性たちの姿を、脚本家の三谷幸喜氏による現代ウケを狙った遊びのようにとらえて、否定する見方である。

 しかし、中世前期の女性は財産権を持ち、夫と異なる生業を営む者も多かったことが明らかにされている。さらに、「乳母(めのと)」の存在も大きい。流人頼朝の生活を支えていたのは、複数いた乳母とその一族・関係者であったといっても過言ではない。

 ちなみに、歴史ドラマでは女性名に苦労するのは、いつものことだろうが、今回も同様。「政子」の名は彼女が朝廷から位階を受けるにあたって用意された諱(いみな―公式名)で、その時、もう頼朝は死んでいたし、北条家の「牧の方」も「阿波局」も、頼朝の乳母の「比企尼」も本名は分からない。だから死後の名前やドラマの作者が勝手につけた名前がゴチゴチャになっている。時代考証の担当者には悩ましいところだろう。

提供元:Yahooニュース
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