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伊藤沙莉がデリヘル嬢を熱演!「この役は誰にも渡したくなかった」(Movie Walker)


第32回東京国際映画祭で11月2日、日本映画スプラッシュ部門『タイトル、拒絶』のQ&AがTOHOシネマズ六本木で開催され、主演の伊藤沙莉をはじめ恒松祐里、片岡礼子、池田大、監督の山田佳奈が登壇。主人公のデリヘル嬢カノウ役を体当たりで演じた伊藤だが「カノウという役は、誰にも渡したくなかった」と本役への強い想いを明かした。

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2016年の『夜、逃げる』で監督デビューを果たした山田佳奈自身の、同名舞台初の映画化にして長編デビュー作となる本作。どうしようもない人生でも生きていかなくちゃいけないデリヘル嬢たちの姿を描き、主人公カノウ役を伊藤が務め、キャラの強いデリヘル嬢たちを恒松、佐津川、森田、片岡らが演じる。


この日が長編デビュー作のワールドプレミアとなった山田監督は「皆さんのお目にかかれることになって、本当に満席の客席を見渡して、この作品が皆さんにどう届いたんだろう、愛されてるといいなとか色んな想いでいっぱいです」と感無量の表情で挨拶。主演を務めた伊藤も「観に来てくださって本当に嬉しいし幸せです。撮ったのは11日と短い期間だったんですが、全力でぶつかってみんなで絆が生まれた作品。皆さんに何かしら届いたり刺さったりしていたらなと思います」と笑顔を見せた。


本作は、山田監督が手がけた同名舞台の映画化となるが「もともと自身のロジックというインディーズ劇団で6年前に書き下ろした作品で、自分にとっても劇団にとっても転換期になった作品。その頃、自分が女性でいることが好きになれなくて、男性に負けたくない、じゃあどう戦ったらいいんだろうと葛藤していた時期だったんですけど、あの作品を作ったことで消化された想いもあった。いざ長編を撮るってなった時に、あの作品をどうしても撮りたいという想いがずっとあったので、この作品になったのは自分のなかでは筋の通った流れだった」と映画化への想いを明かした。


いっぽう主人公のデリヘル嬢カノウ役を体当たりで演じた伊藤は、本作への出演の理由を聞かれると「カノウっていう役をだれにも渡したくないなと思いまして。私がやらなきゃいけないという感じがして」と強い想いを告白。また同じくデリヘル嬢の一人まひる役を演じた恒松は「今年のお芝居のなかでも転機になった作品」と本作への想いを明かしつつ、監督になぜ自分を選んだのかと逆質問。監督は「まひるという役は、傷跡を逃していく、難しい役で難航していたんです。で『散歩する侵略者』の恒松さんのひょうひょうとした、かつ人を見る重みのある瞳が今回役としてハマるんじゃないかなと思ったのが一番大きかった」と起用の理由を明かし、「現場とかで(恒松が)まひるちゃんと一緒に生きていく様を見て、この人に頼んでよかったなと思いました」と語ると恒松も喜びの表情を見せた。


さらに客席とのQ&Aが行われると、お客さんからは「とても刺激的で感情を揺さぶられる作品でよかった」と絶賛の声が。最近も話題作含め様々な役を演じている伊藤だが、演じたカノウへのアプローチの仕方を聞かれると「カノウはとにかく葛藤がずっとある女の人。そして、どうにかしたいけどどうにもならない人生というのは、カノウだけじゃなく出ている人たちの人生みんなそう。(カノウは)私はデリヘル嬢たちとは違うみたいに見えそうだけど、実は一緒。葛藤をとにかくメインに、自分の中ではアプローチしていこうと思っていました」と役作りについて答えた。


また劇中でのデリヘルのお店がオールジャンルとなった理由を客席から問われた監督は、「一人一人にタイトルがあるというか、タイトルっていう言葉ではおさまらないことが、生きていくっていうことなんじゃないかな」と、本作のタイトル『タイトル、拒絶』の命題について言及。最後には「お一人ずつのQ&Aを聞いていて、この作品を作って本当によかったなと思いました。公開は来年になると思いますが、まだ上映館数などこれから決まっていくので皆さんの声が次につながっていく。応援いただければと思います!」と呼びかけた。(Movie Walker・取材・文/富塚 沙羅)

提供元:Yahooニュース
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