-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
離婚は恥!?ハードルが高い日本人の「結婚観」 外国人が見るニッポン(夕刊フジ)

【外国人が見るニッポン】
皆さん、ズドラーストヴィチェ!(ロシア語でこんにちは!)
生まれはロシア、育ちは関西、舞台は東京!ロシア系関西人の小原ブラスです。
このコラムでは、これまで外国人から見る日本人のさまざまな不思議をご紹介してきましたが、今回は日本人の結婚観の不思議についてのお話です。
■親の再婚は不幸?恥?
僕が「生まれはロシア、育ちは関西」と自己紹介をしているためか、「ロシア人なの?ハーフなの?」とよく混乱を招いているようなのですが、僕は純粋なロシア人。僕がロシア人であることを伝えると必ず「何で名字は日本名なの?」と聞かれ、子供の頃にロシア人の母親が日本人と再婚したからだと理由を説明すると、日本人は決まって「なんかゴメンね」と謝ってくるのです。
日本人にとっては不自然ではないのかもしれませんが、ロシア人にとってはよく「日本人あるある」として語られるほど、この「ゴメンね」は日本人らしさを感じさせられる「ゴメンね」なのです。
何で日本人は親が再婚したことを説明すると「なんかゴメンね」と謝るのか?このことについて日本人の友人に聞いてみたことがあります。
「だって親にバツが付いてることを言わせてしまった訳だから、そんな悲しい過去を話させてしまってゴメンねということだよ」
そうなんです、日本人にとって離婚経験があるということは、公の場では言いたくない、できれば隠しておきたいことなのです。まるでそれを人生の失敗であったように離婚を恥じる、それがロシア人にとっては不思議なことなのです。
■お試し婚? 結婚に対するハードルの違い
ロシアの離婚率は世界でもトップレベル。調査によってまちまちですがおおよそ60%、なかには80%だという調査結果もあるほどです。大半のロシア人は離婚経験があり、そしてめげずまた何度も再婚を繰り返す。再婚率もかなり高いので、今のお父さんが3人目、4人目なんてことは珍しくもなく、それが辛い経験だなんて思われることはまずありません。
離婚は恥ずかしいことではなく、むしろ「やっと決断したか」と離婚する勇気を称える風潮すらあります。なかには何度も離婚している女性はそれだけ魅力的だという考え方もあるほどです。バツ1、バツ2…というよりも、星1つ、星2つというような感覚でしょうか。
簡単に離婚が出来るということはそれだけ、結婚に対するハードルも低く、簡単に結婚をするということでもあります。芸能人が酔った勢いで結婚したニュースも定期的に聞くし、付き合ってから結婚までの期間も数週間というのも珍しくはないです。日本だったら「お試し婚」なんてワードが出てきそうですね。もちろん婚姻率もロシアは世界で1位です(2017年調べ)。
自分の人生は自分のもの、結婚してみなきゃ幸せになれるか分からないし、幸せになれない婚姻は続けるべきではないというのがロシアの結婚観なのです。
■日本式結婚観ではダメなのか
日本の場合、離婚率はおおよそ30%と言われていますが、これはその年に出された婚姻届と離婚届の数を割って算出されているので、若者が減り結婚人口が減っている日本の場合、実際にはもっともっと少ないのです。諸外国と比べても日本人はなかなか離婚をしない国民であると言えるでしょう。
「一度決めたことはやり遂げる」この言葉を僕は日本で何度も何度も聞いてきましたが、ロシア人的な感覚だとなかなか思いつかない言葉です。
何事も1度決めたことを曲げずに、続けることが大事!この価値観が日本の秩序を守ってきたように感じるし、日本人の結婚観、また仕事に対する考え方にも共通しているのではないでしょうか。
日本人にとって結婚とは人生最大の決断であり、離婚は大きな失敗なのです。そんな親の失敗に巻き込まれた子供は可哀想だし、その失敗を子供に話させるなんて無神経、「ゴメンね」という言葉が出るのも当然だという訳ですね。
結婚のハードルは高いのに、「結婚は幸せ、誰もが追い求めているもの」という認識があるから、ある程度の年齢で結婚をしていないと「何か訳ありかな?」という目で見られるのも日本の結婚観に関する少し窮屈な点しれません。
よくテレビのバラエティー番組で「美人なのに結婚ができない女優」のようなとりあげられ方で、芸能人が不幸エピソードを話すような場面を見ますが、これも日本人の結婚に対する並々ならぬ情熱から成立しているのではないかと思います。
ロシアの場合ある程度の年齢で結婚をしていなくとも「離婚したのかな?」程度にしか思われないので、その点は少し楽かもしれません。もちろん親からのプレッシャーはありますが。
簡単に結婚し離婚するロシア人、慎重に結婚しなかなか離婚しない日本人、どちらの文化の方が良いのでしょうか?こればかりは答えが出ることはありません。
日本式結婚観ではプレッシャーのために犠牲になる個人の幸せもありそうだし、ロシア式結婚観では傷つく子供も増えるのかもしれません。ロシア式の方が楽そうでいいじゃない?と思うかもしれませんが、実際ロシアでは再婚相手からの子供への家庭内暴力が大きな問題となっています。個人の自由か、秩序か…そのバランスが大事ということですね。
■結婚をしないという選択も
世界的には今は結婚をしないという選択も認められるようになってきました。必ずしも結婚だけが幸せになるための手段ではないという考え方です。結婚をしなくても仕事の成功や趣味でいくらでも幸福を感じますし、結婚をして家庭を持たなくても社会の役にたつ人間にもなれます。
それでもやっぱり結婚は、人生設計を楽にする手段ではあると僕は思います。
僕は同性愛者なので結婚はできません。だから誰とお付き合いをして同棲をしたとしても、ある程度の期間が経つと、ふと「この先に何があるんだろう?」「ずっとこの状態が続くだけ?」という感情に陥るのです。その先に目標がないと関係を維持することはとても難しいのです。
やっぱり誰かと付き合って同棲する、その先に結婚があるからこそ「今はお金を貯めよう」と頑張れるし相手との関係も維持ができる。結婚したら次は子供を産んで、子供を育てて、そのために仕事も頑張って…このように人生でこのあと私は何をするべきなのか、深く考えなくとも結婚というレールに乗っかってしまえば明確になるのです。もちろん、それと引き換えに自由など、様々なものが犠牲にはなりますけどね。
自分で細かく1つ1つカスタマイズして人生を設計するのか、結婚というフォーマットにあてはめて人生設計をするのか、あなたはどちらのタイプですか?人の数だけ結婚観があってもいいのかもしれません。
■ブラス 1992年4月20日生まれ。ロシアで生まれ、5歳の時から日本に移住。かつては某動画配信サービスで有名配信者であった。現在はサラリーマンとして働きながら、YouTuber「ピロシキーズ」としても活動。
提供元:Yahooニュース