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渥美清に通じる生き様阿部寛のプライベートは謎だらけ（日刊ゲンダイDIGITAL）

　俳優・阿部寛（55）といえば、今やシリアスからコミカルな役までこなし、出演作は必ず当たると言われるほどの名優である。男性俳優部門の各種ランキングでも、「渋い俳優部門」や「出演作を見逃せない俳優部門」ではいずれも上位の常連で、注目度の高さがうかがえる。そんな阿部の最新作「まだ結婚できない男」（カンテレ・フジテレビ系）が10月８日にスタートした。

　2006年に放送された「結婚できない男」のその後を描いており、実に13年ぶりの続編となる。阿部が演じる主人公・桑野信介は、偏屈で独善的で皮肉屋……。つまり、今風の言い方をすると、「こじらせ独身男」で、近頃はそんな男がゴロゴロいるが、当時は未婚の中年男性をテーマに描くことは斬新だった。続編では、そんな“こじらせ男”をパワーアップさせた桑野の日常がユーモアたっぷりに描かれる。三枚目を演じさせたらピカイチの輝きを放つ阿部の実力が十分に発揮されることだろう。

「阿部は2000年、仲間由紀恵と共演したテレビ朝日系の連続ドラマ『TRICK』の三枚目役で“復活”を果たします。それまでは長身の二枚目俳優は格好いい役が当たり前でしたが、阿部は“長身イケメンのイケてない主役”という新しいスタイルを確立したのです。映画『テルマエロマエ』や『チームバチスタの栄光』でも三枚目が見事にハマっていました。単に演技達者なだけでなく、プライベートでの不器用さというか、過去の苦労が演技に反映されていて、阿部の演技にはどこか哀愁と、説得力がある。そこが彼の魅力をより引き立てているのだと思います」（芸能ライター・弘世一紀氏）

　どんな演技でもこなす俳優としての器用さと、普段の不器用さ。阿部の過去をあまり知らない人にとっては、対極にあるその２つがリンクしにくいかもしれない。というのも、それくらい阿部のプライベートが知られていないためだ。

　阿部の芸能界デビューは1983年で、男性ファッション誌「メンズノンノ」の専属モデルとしてスタート。ノンノの創刊号から43号まで連続表紙を飾るギネス記録を打ち立てた。

■小劇場のゲイ役やVシネの悪役にも挑戦

　順風満帆の中、23歳で役者デビューを果たすも、ハンサムな好青年役しか与えられず、バブルの崩壊とともに阿部のような高身長ソース顔のハンサム俳優は必要とされなくなってくる。さらにバブル期に投資した不動産で数億円にも上る多額の借金を抱え、一時はパチプロとして借金を返済しながら生計を支えていた時期もあったという。それでも阿部は役者の夢を諦めず、小劇場でゲイ役や、Vシネの悪役などありとあらゆる役を演じ、性格俳優としてのキャリアを身につけていった。そして、「TRICK」でようやくチャンスをつかんだ時には、阿部は36歳になっていた。

　実は、この当時、阿部には真剣交際している女性がいた。その当時を知人が振り返る。

「15歳年下の元モデルの女性でした。人気が出始め、かなり多忙だったにも関わらず、阿部さんは愛車の大型バンに乗って彼女のワンルームマンションに毎日のように通い、小さな部屋で映画やドラマのことについて語り合ったそうです。途中、別れたり、再びヨリを戻したりの生活が２年も続いたのです。そういうところも不器用な印象です」

　02年には、週刊誌にこの女性との交際について直撃されると、阿部は〈一緒にいるとホッとする子なんですよ。一番安らぐ相手というか…。長い目で見てくださいね。お願いしますよ、ホント。こういった場合はどこまで喋っていいのかなぁ〉と、戸惑いながらも真摯に対応した。

　その後、「TRICK」で共演した仲間由紀恵（39）との交際も報じられるなど、それなりに浮名も流したが、08年に43歳で一般女性と結婚。発表記者会見では、「結婚できない男が結婚することになりました」と、気の利いたコメントをして記者を笑わせた。

　その後、現在に至るまでプライベートに関しては、全くといっていいほど情報が漏れてこない。

「役者としての生き様が、昭和の代表的三枚目『寅さん』を演じた渥美清さんに似ている気がします。渥美さんも結婚後のプライベートに関しては一切、外部に漏れることはありませんでした。三枚目の役者に徹するという二枚目な姿勢がすごく格好いいですね」（前出の弘世一紀氏）

　平成のイケメン三枚目枠を開拓した阿部。“令和の寅さん”になれるかは今後の努力と活躍次第だろう。

提供元：Yahooニュース

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