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台風で傷ついても千葉県鋸南町は魅力満載! 桂春蝶の蝶々発止(夕刊フジ)

【桂春蝶の蝶々発止。】
私が嫁さんと出会ったのは15年ほど前です。出身を聞いたら「房州よ」と言いました。関西人の私にとって「房総半島」は聞き慣れない土地です。その房総半島の中でも、とても小さな町、「鋸南町(きょなんまち)」でした。
結婚が決まり、実家にあいさつに行きました。私はすぐ、この町が大好きになりました。内房の海はとても穏やか。なのに、特急さざなみ号は「ぼうそうエクスプレス」という。タクシーも「ぼうそうタクシー」、走るバイパスは「ぼうそうスカイライン」…。
地名に慣れない私は「房総」を「暴走」に置き換えてしまうのです(笑)。運転手や車掌さんも、映画「暴走特急」で知られる米俳優、スティーブン・セガールに見えてしまうのでした。
鋸南町は海がきれいで、海岸からは富士山が見えます。人々はみんな穏やか…。なのに、嫁さんはとても怖いので、「あなたは本当にこの町の出身なの?」というと、先方の家族はみんな笑ってたなぁ(笑)。
最も私を虜にしたのは、海産物のおいしさです。アジなどの近海魚は絶品です。
嫁さんのおばあちゃんが「春蝶さん、『なめろう』は食べるかい?」と言います。庭で自生している大葉とミョウガを取ってきて、アジと一緒に包丁でたたく。ごまで仕上げて、炊きたての房州米に乗せていただいた。ご飯、何杯おかわりしたかなぁ…。おばあちゃんは亡くなったけど、御霊前で「いつかまた『なめろう』つくってね」と言ったの、覚えてます。
人口8000人弱。落語会もたくさんさせてもらいました。落語の最中にも、「○○集落の△△おばあさんの行方が分からなくなっています」と町内放送がよく流れます。30分もしたら「見つかりました」というアナウンス。高齢化率48%。これが日常なのですね。
私が愛してやまない鋸南町が、台風15号でとても傷付きました。みなさん、鋸南町に来てみませんか? だって、見どころ満載なんだもの。
何と! この町には、日本一大きい大仏様がおられるのです。鎌倉大仏の2倍以上、奈良大仏の約1・8倍です。「もっとPRしたら?」っていつも思うのよね(笑)。
「見返り美人図」で知られる江戸時代の画家、菱川師宣(ひしかわ・もろのぶ)の出身地で、江戸時代の浮世絵師、歌川広重(うたがわ・ひろしげ)が「冨士三十六景 房州保田海岸」を描いた海岸は、あの文豪、夏目漱石が日本初のレジャー海水浴をしたそうです。
そして、花が美しい。鋸南町は「水仙の日本三大産地」の1つで、6000万本もの群生は感涙ものです。春は1万5000本の頼朝桜に酔いしれてください。
傷付いても、この町は魅力は失っていません。みなさん、今こそ、どうか鋸南町へ!
■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。
提供元:Yahooニュース