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映画「火口のふたり」セックスへの貪欲さと予測不能の展開(日刊ゲンダイDIGITAL)

【大高宏雄の新「日本映画界」最前線】
18歳以上の観客が見られる〈R18+〉指定の「火口のふたり」がヒットしている。柄本佑と瀧内公美が主演だ。というより、出演者はこの2人だけである。かつて付き合っていたいとこが、再び関係を持つ。その数日間の話である。
全国で20館に満たない小マーケットながら、不思議なヒットだといえる。年配者が多いが、若いカップルも結構いたのには驚いた。SNSなど口コミで広がる類いの作品ではない。何紙かの新聞が好意的な評を掲載したので、それが功を奏したのかとも思う。
中身自体のヒット要因としては、2つのことを考えた。話の面白さと大胆極まるセックス描写だ。結婚式が間近に迫った直子(瀧内)は、つかの間のアバンチュールの意味もあり、賢治(柄本)を誘う。別れていたとはいえ、好きな感情が継続しているようで、その感情を肉体で確かめたいこともあっただろう。
性欲に火をつけられた賢治は、直子を離さなくなる。彼女にとっては誤算だったが、そのあたりの展開が先の読めないサスペンスフルなタッチも呼び起こして面白い。話の道筋の根底に、賢治だけではない直子の貪欲な性欲も渦巻いている。話の妙と2人の性欲が混じり合い、それは大胆極まるセックス描写へとつながっていく。
見終わると、強さも弱さも感じさせない直子の一本筋の通った日常が重しとなって迫ってくる。性的な欲求と愛という感情が彼女の中で暴れ回り、それは人間本来のまっとうな営みに見えてくるからだ。
この営みの確かさと切実さが、とても心地よい。男女の性愛を突き詰めようとした作品が、いまの時代にさりげなく公開されている。日本の希望のひとつが、ここにあるのではないか。
(大高宏雄/映画ジャーナリスト)
提供元:Yahooニュース