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読者がみたことのない結末に心燃やし…新しい驚きへ“昇華” 長岡弘樹さん「119」(夕刊フジ)

★長岡弘樹さん 『119』文芸春秋1500円+税
とにかく読者を驚かせたい、という。警察学校を舞台にした『教場(きょうじょう)』でブレークした著者が、消防官の世界をミステリーで描く。命に直面するギリギリの現場で織りなされる人間ドラマと、そこに潜む闇。うーん、今度も新しい。(文・南勇樹 写真・宮崎瑞穂)
◇
--新たなジャンルの開拓です
「ひとつの職業に特化した作品を描きたいと考えていた中で、消防のアイデアが浮かびました。ただ“消防もの”というと、どうしても、火事が発生して消防官が駆けつけ、現場で事件の匂いをかぎつけ、解決する、といったパターンになりがち。私は、それとは少し違う『驚き』や『サプライズ』を盛り込みたいと思ったのです」
--驚き、ですか
「星新一さんのショートショートのようなアイデア小説が好きなのです。私は、『物語』よりも『アイデア』で勝負したい。読者をアッと驚かせるような結末をまず考え、そこから逆算して話を組み立てるやり方ですね」
--「消防官は誰もみな、いつ顔を出すか分からない闇を抱えたまま…」という登場人物のセリフが印象的
「消防は、常に『命』に直面する仕事です。24時間、緊張を強いられる消防官のストレスは大変なものでしょう。単に、火事や救急への対応だけでなく、日々の緊張感やストレスなどの中で生まれる『消防官同士のやりとり』が面白いと感じたのです」
--ミステリーで留意するポイントは
「やはり、結末が簡単にバレないようにすることですね。話の途中で分かってしまうと面白くないでしょう。本作でも、アイデアづくりにはずいぶん苦労しました。人物造形では、できるだけ違うタイプの人間を登場させるよう留意しています」
--描写が詳細。取材はどのように
「ある消防署を編集者と一緒に訪ねて取材させてもらいました。火災などが発生したとき、すぐに出動できるよう、靴と消防服をセットしてあるような工夫や、(署内で自炊する)調理場まで見せてもらいました。後は、映像や文献などをみて、話を作り上げていったのです」
--本作を読んで、消防官志望者が増えるかも
「そうですね。でも、消防官の仕事って、こんなに大変なんだ、って逆に思われるかもしれませんよ」
--代表作『教場』も警察学校という新たなジャンルを生み出しました
「警察小説を書こうと思っても、すでにいろんなタイプの作品が描かれているでしょう。消去法というか、苦肉の策で思いついたアイデアが警察学校でした。ただ、このときは、(警察学校内を)なかなか見せてくれるところがなくて…。取材に苦労しましたね」
--その『教場』が来年の新春、木村拓哉主演で初めてドラマ化(フジテレビ系)される
「実は撮影現場へ見学に行ったのですよ。木村さんはテレビで見るよりも実物の方がずっとカッコイイ。自分の作品が映像化されるのは、とてもうれしいですね。実際にテレビで見るとなると恥ずかしいかも」
--ネットの勢いが止まらない。仕事のやり方にも変化はありますか
「“長いもの”がなかなか読まれない、ということは私自身も含めてあるかもしれませんね。ただ、私は『短編』が好きなので、ついにその時代が来たか、という思いはありますよ」
--なぜ短編を
「余分な描写で読者に時間を取らせたくないんですよ。(400字詰め原稿用紙で)40枚くらいの分量にアイデアやサプライズをきちっと詰め込む。それが私の真骨頂だと思うのです」
■あらすじ
出動した火災現場のマンションから転落死した若い消防官の「お別れの会」。男は、まだ24歳の若さだった。その会であいさつに立ったのは、同じ消防官で副署長の地位にある父親。息子の半生や殉職した火災現場の様子を語り始める。何と、そのマンションの住人は息子が結婚を考えていた女性だったという。次々に明かされる事実、そして衝撃の結末…(『逆縁の午後』の章に収録)。
和佐見市消防署の消防官たちを主人公にした9つの短編連作ミステリー。
■長岡弘樹(ながおか・ひろき) 1969年、山形県生まれ。50歳。筑波大学卒。2003年『真夏の車輪』で小説推理新人賞を受賞。05年『陽だまりの偽り』でデビュー。13年警察学校を舞台にした新たなジャンルの警察小説『教場』が週刊文春ミステリーベスト10の第1位に輝く。同作は20年新春、フジテレビ開局60周年特別企画番組としてドラマ化される。他に『赤い刻印』『救済SAVE』などがある。
提供元:Yahooニュース