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外からでは何とでも言える… 外国人からの批判に惑わされたらアカン!(夕刊フジ)

【外国人が見るニッポン】
皆さん、ズドラーストヴィチェ!(ロシア語でこんにちは!)
生まれはロシア、育ちは関西、舞台は東京!ロシア系関西人の小原ブラスです。
先日、東南アジアの国、ブルネイで同性愛行為や不倫に対し、石打ちによる死刑などを科す厳しい法律が施行されたと様々なメディアが報じ、国際的に話題となりました。このニュースが報じられるや、欧米各国から批判の声が上がり、日本のメディアでもこの法律に対する批判の声を大きく取り上げていましたね。
僕もセクシャルマイノリティの一員として、現地のLGBTの皆さんのことを思うと気の毒ですし、この多様性の時代におかしいやろ!という気持ちを強く持っています。
ただ、今回の報道に関してはどのニュースをチェックしても、とにかく「世界各国からの批判が殺到している」といった内容ばかりで、正直物足りない報道ばかりです。このように国際社会から足並みを外した動きをする国があると、世界各国のニュースはこぞって「海外の反応」ばかりを報道する傾向にありますが、本当に大事なのはその国の人々の反応なのではないでしょうか。
現地の国民の大半がその法律に賛成をしているのであれば、例えどれだけ外部からは極悪なものに見えても、それはある意味、現地のマイノリティの政治的な敗北でしかないのです。それを変えるためには時間はかかるかもしれませんが、その国の内部から現地の人々が自らの価値観を変えるために戦うほかありません。
そんなこと簡単に出来る訳がないやろ!変わるまでの犠牲は無視か!と言われるかもしれませんが、平和的に文化を変えるのはそれだけ地道で大変なことなのです。
よく僕の出身地であるロシアがこのように国際世論の批判の的になるのですが、海外からの批判は、ロシア国民の心に響くことは殆どないと感じます。
例えば、日本でも数年前、和歌山県でのイルカ漁が残酷だと欧米各国から批判をされ、大きく報道をされていた時期があったと思いますが、その時に皆さんはどのように感じたでしょうか? 中にはイルカ漁をやめるべきだと考えた人も居たかもしれませんが、それは少数派でしょう。大半は「うるせー!そっちの価値観を勝手に押し付けてくるんじゃねーよ!」と思ったのではないでしょうか? それと同じなのです。
ロシアでは2013年に同性愛を宣伝することを禁止した法律が制定されたことで、ソチ五輪のボイコットの声が上がるなど、国際的な批判をかなり浴びました。その結果、ロシア現地の同性愛者の立場は向上したのかというとそんな事はなく、むしろ欧米の価値観の象徴のような“煙たい存在”として扱われるようになってしまいました。同性愛者に対する暴力事件も増加し、いわば「外圧」が差別を助長するような形になってしまったのです。
どこかの国を批判するのは自由ですが、その国の文化や慣習を変えるべきだと考えるなら、その国である程度生活をして、その国の人達の考え方を理解してからでないと説得力もありませんし、そうでないとむしろ逆効果になることすらあります。外からは何とでも言えますからね。
日本のイルカ漁に関する批判をする欧米人も、殆どが日本語も分からず、漁をしている人達と直に語り合い、彼らの生い立ちや家族についても何も知らないまま批判をしているのです。だから、彼らの批判が日本人に響くことはなかったのでしょう。
「外国人がみるニッポン」というコラムを扱う自分が言うのも矛盾した話なのですが、日本をより良い国にするためには、ただ外国人の意見を聞くよりも、外国に行ったり、外国に住んで色々なものを見聞きした日本人の意見を聞いたほうが参考になるし、説得力もあると思います。
ロシア人から見た日本のアレコレについて話すと、日本の皆さんは(お世辞かもしれませんが)とても興味深そうに話を聞いてくれます。でも実は、ロシアに帰った時に日本のアレコレを紹介する時のロシア人の反応のほうが、何倍も興味深そうなのです。やっぱり自分の国の人の話の方が、気楽でスッと入ってくるのでしょう。
ありがたいことに僕は最近、日本のメディアに出させていただく機会が少しだけ増えてきました。基本的に自分の性について包み隠さない姿勢を貫いているのですが、たまたま日本のメディアに出ているロシア人を見て、「ロシア人にもそういう人っているんだね」「ロシアには同性愛者は殆ど存在しないのかと思っていた」というメッセージがロシアから届くようになり、とても驚いています。ロシアで同性愛者だとカミングアウトする事が、どれだけ難しい事なのか-日本に住んでいるからこそ、ロシアでのタブーに挑戦することが出来るのが、僕の強みなのだと気付かされました。
よく、何でこれだけ長いこと日本に住んでいるのに日本に帰化しないの(ロシア国籍を捨て日本の国籍を取得しないの)と聞かれますが、その理由がまさにこれです。
「ロシアに物申したいから!」
同性愛者への差別の問題や、北方領土の問題についてロシアに訴えたいことがあるからです。日本に帰化をして日本人になれば、どれだけ声をあげても、外からの批判でしかなくなります。僕がロシア人であり続ける限り内部からの批判として声をあげることができるのです。
その他にも日本の文化のいい所を少しでもロシアに広めたい、そんな思いもあります。僕はある意味日本の文化のスパイなのかもしれませんね。
これから日本に住む外国人がどんどん増えると言われています。そんな外国人と上手く共存するためには、日本にいる外国人の話に耳を傾けるのは重要なことです。
でも彼らは必ずしも日本人が住みやすい国にするための意見をくれるとは限りません。彼らの意見に「なるほど」と思うことがあれば素直にその意見を受け入れれば良いですが、納得出来ないことがあれば、見てくれを気にせず今一度考えてみるべきです。
また、是非外国に住むニッポン人の話も聞いてみて下さい。きっと外国人からは聞けない、日本人ならではのアイデアが飛び出てくると思いますよ。
■ブラス 1992年4月20日生まれ。ロシアで生まれ、5歳の時から日本に移住。かつては某動画配信サービスで有名配信者であった。現在はサラリーマンとして働きながら、YouTuber「ピロシキーズ」としても活動。
提供元:Yahooニュース