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「鉄拳」は人生 女性プロゲーマー・たぬかな選手 夢は地元でチーム設立(産経新聞)

地方発26歳女性プロゲーマー(下)
格闘ゲーム「鉄拳」専門の女性プロとして世界で活躍している、たぬかな選手(26)。高校卒業後、ひょんなことから導かれるかのようにゲームのプロの道に入ったものの、まさかの敗北続き。腕を磨き、結果を残すようになった今、壮大な夢を抱えている。その夢とは。(小松大騎)
【写真で見る】練習を重ねるたぬかな選手
■「勝って当然」厳しさ痛感
--工業高校を卒業後は
たぬかな 当時はまだプロゲーマーという存在自体、なかったと思います。それに、建設会社に務めていた祖父が普段から日曜大工でベッドなどを手作りしていた姿に憧れ、設計士になりたいという夢がありました。「プレイステーション2」の「マイホームをつくろう」という、依頼主の発注を受けて家を建築するゲームにはまっていたこともあり、卒業後は徳島県内の設計事務所に就職しました。
--仕事はどうでしたか
たぬかな それが、働き始めて1年後に社長が夜逃げして、無職になってしまいました(笑)。
--まさかの展開です
たぬかな 人生、何が起きるか分かりませんね。親には「ちゃんとした生き方をしろ」といわれ、しばらくアルバイトを3つほど掛け持ちして生計を立てた後、アパレルショップに正社員として就職しました。その会社には鉄拳のようにランク分けがあって「この仕事ができれば○○レベル」みたいな制度でした。仕事をがんばればランクが上がるので、ゲーム感覚で仕事も楽しめました。
--その後、プロになった経緯は
たぬかな 平成28年11月に、大阪のプロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」が、インターネット上で鉄拳のプロゲーマーを1人募集していました。就職後も鉄拳だけは続けていて、21歳のころには徳島県内ナンバーワンになっていました。「道場破り」のような形で香川や和歌山などのゲーセンに通って対戦を重ねていたので、自信もありました。ただ、アパレルショップを辞めるつもりはなくて、兼業でやれればと思っていたところ、固定給が出ることを知り、「毎日鉄拳をしてお金がもらえる!」と挑戦することにしました。
--プロ契約に、周囲の反応はいかがでした
たぬかな 親は猛反対。父親からは「プロになっても半年もたたずに帰ってくる」といわれました。でも人生は一度きりですし、「半年だけ」と反対を押し切って、23歳で大阪に出てプロ生活を始めました。
--好きなことを仕事にしたことで、変化はありましたか
たぬかな 心から好きだった鉄拳を、初めてやりたくないと思った時期がありました。アマチュア時代と違い、「負けるのが怖い」と感じるようになったからです。飲料メーカー「レッドブル」と女性ゲーマーとして初のスポンサー契約を結んでから、その思いはより強くなりました。大会に出れば「勝って当然」という周囲の空気を感じましたし、スポンサーやチームから給料をいただいている以上、結果が求められます。プレッシャーから大会では緊張で手が震え、普段通りのプレーができずに格下相手に負けることもあって。すごく落ち込みましたし、プロとして期待通りの結果を出すことの難しさを痛感しました。
■夢は地元でチーム設立
--「勝たねばならない」プロならではのプレッシャーを、どう克服したのでしょう
たぬかな 結局、「勝とう」と気負わないことです。プロも負けるときは負ける、と。アマチュア時代のようにチャレンジャー精神で臨むのが大事だと気づきました。それと、反復練習で基礎を見直しました。格闘ゲームは相手の攻撃に瞬時に反応することが大切ですが、10代のときより反応速度が落ちていたんです。1年目は感性と勢いだけでやっていましたが、読みや経験が重要だと気づいて反復練習を積み重ねるうちに、世界大会でも結果が残せるようになってきました。
--海外の大会と日本との違いは
たぬかな まず、賞金額が全然違います。日本は法律の関係で10万円以上はかけられませんが、海外では億を超える大会もあります。あと、観戦している人たちの熱量。自分の国の選手じゃなくても良いプレーをしたら声を出して応援してくれますし、サインや握手に長蛇の列ができます。海外に行くたびに、日本のeスポーツを盛り上げられるように、もっとがんばらねばと思います。
--「eスポーツ」の普及に向け、SNSで動画発信などもされています
たぬかな リアルタイムで国内大会の実況動画に出演しています。格闘ゲームの敷居を少しでも下げ、裾野を広げていきたい。「鉄拳」の実況では各キャラクターやステージ、繰り出された技などを分かりやすく解説するように心がけています。
--プロ生活はいつまで続けられる予定ですか
たぬかな スポンサーにも伝えていますが、30歳までは続けないと決めています。加齢とともに反応速度も落ちるでしょうし、女性として結婚や出産もしたい。ただ、引退後もゲーム業界の発展に携わりたいという思いはあります。
--具体的に思い描くセカンドキャリアはありますか
たぬかな 地元の徳島に、eスポーツのチームを作りたいという野望があります。今eスポーツは全国に6チームしかないのですが、地方に1チームずつあれば、eスポーツ業界はさらに盛り上がる。まずは地元で自分が監督としてクラウドファンディングで資金を募り、徳島のゲーマーたちをプロ集団にするのが夢です。
--eスポーツで地方の活性化に貢献したいと
たぬかな そうですね。日本では昨年発足した「日本eスポーツ連合」がプロライセンス発行を始めましたが、海外と比べるとeスポーツ人気やプロチーム数はまだまだ。現状を少しでも良い方向に変えられたらと考えています。
--セカンドキャリアでも鉄拳は続けられるのですか
たぬかな もちろんです。私にとって、鉄拳は「人生」といっても過言ではありません。自分の生き方、考え方を成長させてもらえたゲームなので。今後も鉄拳を含めてゲームの楽しさを、いろんな人に伝えていけたらいいなと思っています。
◆たぬかな 平成4年11月、徳島県徳島市生まれ。同県立科学技術高校卒業。28年11月にCYCLOPS athlete gamingと契約し、国内2人目の女性プロゲーマーに。専門は対戦型格闘ゲーム「鉄拳」で、愛用キャラクターは「リン・シャオユウ」。昨年、サウジアラビアで開催の世界大会「マンガコン2018 鉄拳7 3vs3」で優勝。国内外で年間約20大会に出場している。
提供元:Yahooニュース