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元巨人・高橋洸、2年連続で挑んだトライアウトだったが「野球にもう未練はない」(スポーツ報知)


 プロ野球12球団合同トライアウトに2年連続で挑んだ元巨人・高橋洸(こう、25)の練習の日々と、それを支える3歳年上の妻の様子を、2日放送のTBS系「バース・デイ」(土曜・後5時)が追跡取材で報じた。


 トライアウトの合格率は毎年1割前後。これまで2年連続で受けてチャンスを勝ち取った選手は一人もいない。しかし高橋は「可能性はゼロじゃない」と戦いに挑んだ。


 日本文理高で甲子園に出場し新潟県勢で初の決勝進出を果たした高橋は2011年、ドラフト5位で巨人に入団。俊足を生かし、将来の1番打者と期待されたが、ケガが重なり、わずか2年で育成選手に降格。その後、2桁の背番号を取り戻すことが出来ないまま2017年、24歳の若さで戦力外通告を受けた。その年にトライアウトを受けたが、どのプロ球団からも声は掛からず、社会人野球チームでプレーを続けたものの仕事がメインの生活に違和感を覚え、昨年夏に退職。プロ復帰を目指して野球に専念することを決めた。


 巨人時代に1軍の試合に出場経験のない高橋にとって、1軍でプレーすることが何よりの夢。練習する姿を追う番組スタッフにも「夢をかなえたい」と打ち明ける。


 そんな夫を理解し、誰よりも応援しているのが3歳年上の妻、志桜里さん(28)だ。1歳の長男を育てながら「家族がいるから諦めるとか、そういうのはやめてほしい。厳しい状況になるなら一緒に協力して頑張る」と訴え、夫が悔いを残さないようサポートすることを決意した。


 高橋が育成選手になったプロ2年目に出会って結婚した志桜里さんは、巨人を退団後も毎朝5時に起きて弁当を作り、夕食も栄養バランスを考えて夫の体作りに協力。収入のない夫に代わり内職で家計も支えてきた。


 高橋はこの間、毎日朝から自宅近くの河川敷で走り込み、階段ダッシュ往復10本、高校時代の後輩らをパートナーにしたキャッチボール、昼はバッティングセンターで打ち込み、夕方はジムでの筋肉トレーニング―と、会社を辞めてからの3か月は野球漬けの生活を続けた。


 そして2度目のトライアウト前日、2018年11月12日に、高橋は妻に感謝の思いを伝える。「挑戦したいっていう俺の希望を『いいよ』って言ってくれたから1年間頑張れた。明日が最後にならないように頑張る」―。


 トライアウトでは1打席目に四球で出塁。俊足をアピールするため盗塁を狙ったが、打者が三ゴロに倒れたため、かなわなかった。ノーヒットのまま3打席を終えたところで代走を申し入れ、初球で盗塁に成功。最終打席は中飛に終わった。


 「目に見える結果はなかったですけど、思いっきり振ったし、走った」と高橋。志桜里さんも「やっぱりユニホーム姿は素敵ですね」と番組スタッフに話した。


 帰りの車に乗り込んだとき、高橋の携帯電話に着信があり、独立リーグの球団からオファーを受けた。


 トライアウトから1週間後、どの球団からも声はかからなかったため、高橋はプロ復帰を諦めることを志桜里さんに告げた。「野球にもう未練はない」と独立リーグからの誘いも断ったという。

提供元:Yahooニュース
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