-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
奥田瑛二、洗い流した“格好いい俺” 9日公開の映画「洗骨」主演で“ごく普通の男”役に(夕刊フジ)

時代劇の武将や僧侶に茶人。現代劇の医師や検事に刑事、画家…。さまざまな役柄を演じ分けながら、渋い演技派俳優としての地位を築きあげてきた。
「俳優としてもう一度、原点に立ち返るようなキャラクターを演じたい。今がそのラストチャンスの時期かもしれない…」
そう考えていた頃に“ごく普通の男”の役柄の出演依頼がきた。
沖縄古来の葬式の風習を題材にした映画「洗骨」(9日公開)で、妻を亡くしたショックで酒浸りになり、自堕落に生きる夫の役を演じた。
「情けない夫で、子供たちから見たらダメ親父の役。なぜ、俺なのか」
出演を依頼してきた監督に、その理由の真意を確かめようと、自宅近くの喫茶店で会った。
「理由はあなたの目。瞳の奥底にある悲しみを演じてほしい」
こう監督に言われ、心が動いた。
「悲しい瞳か…。俳優人生の集大成として演じられるかもしれない」と出演する決意を固めた。
監督は、沖縄出身の照屋年之。お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリだ。
沖縄の離島、粟国島に住む信綱(奥田)は妻(筒井真理子)を失い、途方に暮れていた。長男(筒井道隆)と長女(水崎綾女)はそんな父に愛想を尽かす。島には、死者を火葬せず、4年後、遺体の骨を遺族で洗い清める洗骨の風習が残っていた…。
「『まだ“格好いい奥田瑛二”が残っている!』。撮影初日のファーストテイクで、いきなり監督からこう言われましてね」
頭を冷やそうと、いったん撮影現場を離れ、沖縄の潮風に打たれた。「次の瞬間、奥田瑛二をすべて捨て去り、信綱になれた」と振り返る。
万年床の布団で下着姿のまま伏せる信綱。「奥田瑛二史上、最も格好悪い役かもしれませんね」
「金曜日の妻たちへIII 恋におちて」など“金妻(きんつま)”シリーズへの出演で注目され、「不倫したい俳優No.1」の称号を得るが、映画俳優へのこだわりは強く、熱意はやがて映画監督への憧れへと変遷していく。
50歳で監督デビューを果たし、2004年に松坂慶子主演で「るにん」を、06年に緒形拳主演で3本目の監督作「長い散歩」を撮り、モントリオール世界映画祭でグランプリを獲得した。
「実は今もオリジナルの監督作品の脚本を執筆中です。今年秋にはクランクインしたい」と意欲を見せる。
「洗骨」で、父に反抗的な長男に対し、長女は父を慕う“父さんっ子”だ。
「長女役の水崎さんが撮影の休憩中、私がロケ弁当を食べていると『おとう、お茶飲む?』と言って隣へ座るんです。娘は本当にかわいいね」
娘の話になると自然に頬が緩み、次女、安藤サクラの出演ドラマの話題に。現在、サクラがヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「まんぷく」を「毎日欠かさず見ています」と言う。「1話15分しかないのでもどかしく、録画して1週間分まとめて見直すのが楽しみ」と、娘の活躍をうれしそうに語る。
「洗骨」の役作りのため、撮影前、妻役の筒井の遺影をもらい、自宅の書斎に飾っていた。
「台所で料理の支度をする妻(安藤和津)の顔をじっと見ていると、自然に涙が出てくるんです。妻は映画の内容を知らないので、きょとんとしていましたが」と苦笑した。
これまで、「自分には死や老いなど無関係で、46歳のまま時が止まっていた」と明かす。ハードボイルド映画の傑作「棒の哀しみ」で演じたアウトローの男の強烈なイメージが己と一体化し、離れられずにいたのだ。
だが、沖縄での約1カ月間の「洗骨」の撮影後、「人が死ぬという摂理を自然と受け入れられるようになった」と語る。
来年70歳を迎えるが、「監督として新作を必ず撮りますからね」と創作意欲は尽きない。自然体で見せる映像に要注目だ。 (ペン・波多野康雅 カメラ・渡邊大輔)
■奥田瑛二(おくだ・えいじ) 1950年3月18日生まれ。68歳。愛知県出身。76年、ドラマ「円盤戦争バンキッド」で俳優デビュー。「金曜日には花を買って」やNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」など数々の話題作に出演。「もう頬づえはつかない」「海と毒薬」などで映画俳優として注目される。「長い散歩」など映画監督としても活躍。エッセイストの妻、安藤和津、映画監督の長女、安藤桃子、女優の次女、安藤サクラ。サクラの夫は俳優の柄本佑で、義父は柄本明、義母は昨年死去した女優の角替和枝。義理の弟は俳優の時生という芸能一族だ。
提供元:Yahooニュース