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小説「二人の嘘」大ヒット、作家・一雫ライオンに直撃 脚本家ではできない「地の文」を表現したかった(夕刊フジ)

 作家、一雫ライオンの小説『二人の嘘』が、ハードカバーで440ページにのぼる重厚さにもかかわらず、「引き込まれる」「泣ける」「一気に読んだ」と反響を呼び、発売後すぐに4刷まで増刷を重ねるヒットに。なぜ、この小説は生まれたのか。その秘密を作者に直撃した。

 もともと俳優だった一雫は脚本家としても活躍していただけに、作品は映像を見ているかのように緻密な描写が続く。

 「僕が小説家一本で残りの人生をやっていこうと決意したのも、そこに理由があるんです。脚本はト書きにそこまで書き込めないルールなんです。俳優に必要以上に指示を与えてはいけないので。それがガマンできなかったんですよ」

 最近の小説は地の文が少なく、会話で展開されるのが主流だが「会話で物語を作るなら、脚本で十分ですよ。やっぱり僕はしっかりと地の文を書きたかった」とも。

 「10年に一人の逸材」といわれる女性判事、片陵礼子と、礼子が裁いた元服役囚、蛭間隆也の道ならぬ愛を描く。蛭間の事件を礼子が再びひもといていくミステリーではあるが、深層には不倫という愛の世界があった。

 「今、芸能人が不倫騒動を起こすと猛烈にバッシングされるじゃないですか。でもね、ああいうのはただの浮気なんです。不倫というのは、すべてをなくしてでもいいという愛の姿。それを描きたいと思ったんです」

 蛭間は大切なものを守り続ける“昭和”の空気感を持った男。そしてエリートの礼子も最後はすべてのキャリアを捨てる覚悟を持つ。「それもまた“昭和”な感じでしょう」と明かす。

 そして物語は舞台を金沢へと移し、怒濤(どとう)の展開をみせる。

 「前の小説を書き終えた後、知人の映画監督が“息抜きにでも”と金沢に誘ってくれたんです。その地で感じたのが不倫のにおいだったんです。それがこの作品を書くきっかけにもなった。だから最後の舞台も金沢にしたんです。担当編集はラストをド演歌を聴きながら読んだそうです。僕はイエローモンキーを聴きながら書いたんだけど」

 コロナ禍の中、2年かけて書いた力作だ。映画化も期待される。

 「できれば、いいですよね。実生活で、不倫に落ちるなんてできないですから、せめて小説の中だけでも現実逃避してもらえれば。それが小説の醍醐味(だいごみ)ですよ」

提供元:Yahooニュース
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