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樹木希林さん、32歳で“おばあちゃん女優”の地位を確固たるものに 75年「おばあちゃんの星」(夕刊フジ)

【番記者だけが知る女優・樹木希林の壮烈人生】
TBSの人気ドラマ「寺内貫太郎一家」(1974年)で「ジュリ~」と妖しくもだえる樹木希林さんの「老け役」は大当たり。そのころ、彼女は「おばあちゃん」にはまり、まだ30代前半なのに、私に「あのね、男は年をとっておじいさんになると頑固になるだけで、な~にも勉強しないの。そこへいくと、おばあちゃんは素晴らしいのよ」といって、ひそかに老婆の研究に入った。
あるとき、TBSの3ロビ(旧TBSの喫茶室)で、彼女とお茶をした。「寺貫」収録の休憩時間のことだ。
「私、時間があると公園のベンチに座って、おばあちゃんを観察するの」と前置きして「おばあちゃんはね、すごく向上心があるの。この違いが女性の平均寿命が男性より高い理由よ。おばあちゃんは道を歩いていて分からなくなると、迷わず人に聞く。初めてのレストランでは隣席のお客さんからおいしいメニューを聞く。困った人がいたら、とことん話を聞いてあげる。もう、おばあちゃんは最高」。
杖をゆっくり地面に当てて、風景を楽しみながら歩く人は「平和な今日」を過ごしている。せせこましく歩き、他人の顔を細目を開けて疑わしげに見る人は「嫁姑の関係が崩壊中」。大胆に胸の開いたワンピース、濃い目の口紅を塗って大またで歩く女性は「独り寝が寂しい人」。こんな風に分析して時間を過ごすというのだ。これらはすべて役作りである。
そんな希林さんに目をつけたのが服部晴治ディレクター(大竹しのぶの前夫で末期がんのため結婚2年で他界)。希林さんが久世組から離れて挑んだ作品が75年のTBS「おばあちゃんの星」。
32歳でつかんだ初の主役。「寺貫」で見せた、「ジュリ~」のイメージの延長線から「かっとんだ、おばあちゃんもの」を狙ったもの。
オンボロ下宿のおばあちゃんが巻き起こす騒動をコメディータッチで描いたドラマは、共演者も嵐寛寿郎、小池朝雄、水野久美、風吹ジュン、谷啓、室田日出男、伴淳三郎と多彩だった。
結果は「悠木千帆の演技が斬新すぎて、視聴者がついていけなかった」(編成局)という理由から視聴率が上がらず、1クール(13回)で終わった。しかし「おばあちゃん女優」としての地位を確固たるものにした。
ところが77年、突然「悠木千帆の芸名を売ります」と宣言したのだ。=つづく(フリーライター・中野信行)
■樹木希林(きき・きりん) 本名・内田啓子。1943年1月15日生まれ。東京都出身。61年に文学座に入団。73年にロック歌手の内田裕也と再婚したが1年半で別居。籍はそのままだった。最初の芸名は悠木千帆。樹木希林に変名したのは77年。
2013年に「全身がん」を告白。今年9月15日に75歳で死去した。長女はエッセイストの内田也哉子、その夫が本木雅弘。遺作は自ら企画も担当した映画「エリカ38」(来年公開)。
提供元:Yahooニュース