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正体不明の敵より“恐ろしいもの”とは? 監督が語るNetflix『バード・ボックス』(ぴあ映画生活)

サンドラ・ブロックが主演を務めるNetflixオリジナル映画『バード・ボックス』の配信がスタートした。本作は、謎の脅威が人類に迫り、世界がほぼ壊滅するところからはじまる大規模なサバイバル・スリラーだが、『しあわせな孤独』『未来を生きる君たちへ』など重厚なドラマを描いてきたスサンネ・ビアが監督を務めている。なぜ、彼女は本作を手がけることになったのか? インタビューを通じて本作が描く真の恐怖が明らかになった。
ほか画像
スサンネ・ビアはデンマーク出身で、自国でキャリアをスタートさせ、世界的な評価を獲得。近年は、トム・ヒドルストン主演のドラマシリーズ『ナイト・マネジャー』の監督を務めるなど英語圏でも活動中で、サンドラ・ブロックとは以前から「機会があれば一緒に作品を」と話し合っていたという。
「そんなある日、私のエージェントから『この脚本をすぐに読んでほしい。サンドラ・ブロックがこの脚本に興味を示している』と連絡が入りました。私は飛行機に乗るところでしたので、機内で脚本を読み始めたのですが、スリラーでありながら、登場人物たちの個人的な感情も描かれていて、そこが面白いと思いました。スリリングなのに深遠な物語でもあるのです」
彼女が受け取った脚本は『メッセージ』の脚色を手がけた気鋭のライター、エリック・ハイセラが執筆したもので、予期せぬ妊娠をしてしまった主人公マロリーが病院に検査に行くところからはじまる。検査の後、病院で入院患者が突然、窓ガラスに自ら頭をぶつけて命を絶つ事件が発生。マロリーは全力でその場を後にするが、街では人々が次々に自ら命を絶つ異様な光景が広がっていた。この出来事はマロリーの周囲だけでなく全世界的に広がっているようで、あらゆる公共サービスや機能は停止し、彼女はサバイバルを強いられる状況に放り込まれる。
ビア監督は大規模なパニック映画やスリラーを多く手がけてきたわけではないが、この物語には「自身の過去の作品と共通する部分があった」という。思い返せば、交通事故で首から下がマヒしてしまった男性と婚約者、男性を轢いた女性の夫のドラマを描く『しあわせな孤独』や、遠く離れた地で行なわれる結婚式にやむなく出席することになった主人公が自身の過去と対峙することになる『アフター・ウェディング』など、彼女の作品は“極限状態で人間の本質があぶり出される”物語が多い。
「もしかしたら私が監督を務めたことで、その要素が膨らんだのかもしれません。私は常にそういうことを考えていますからね。私は“日常から突然、極限状態に放り込まれる”想像にとりつかれている部分がありますから(笑)、衝動のように映画の中に出てきてしまうんでしょうね。だからというわけではないですが、この映画ではスリラーの要素があり、未知な部分で観客の興味をひきながら、しっかりと物語を掘り下げて描きたいという気持ちが常にありました」
地獄のような光景を何とか通りぬけたマロリーは目の前の屋敷に転がり込み、そこで“目を開けていた人間が何かを目撃して死んでしまう”ことを知る。屋敷の外に出たら目を開けることができないので、ここからは出られない。しかし、世界はほぼ壊滅状態にあるため電話は不通で、テレビ放送は止まり、建物内の食料は尽きていく。彼女は屋敷に居合わせた生存者たちと生活しながら打開策を講じるが事態は進展しない。「本作はキャスティングの段階からキャラクターの心理を繊細に描くことに力を注ぎました。どんな小さな部分も細かく演出しましたし、俳優の組み合わせが変わればそれぞれの役割も変わりますから、その部分も意識して、登場人物のその場の“心の内”をしっかりと描いていきました」
登場人物のサバイバル劇を描く一方で、ビア監督は“私たちが暮らす社会の弱さ・モロさ”を描くことにも気を配っている。「その通りです。私たちの社会は問題なく機能しているように見えて、実はとてもモロいものだと考えています。もしかしたら、私たちが映画や小説などのフィクションに夢中になるのは、自分の心の奥底にある恐怖をあぶりだして、対峙してみたい気持ちがあるからではないでしょうか? もちろん、誰だって実際には映画で描かれるような危機は経験したくはありません。でも、フィクションを通じて“もし、こんな状況になったら自分はどうする?”と考えてみたいのだと思うのです」
危機が迫れば、人間の本質に光があたり、私たちが“本当に大切にしているものは何か?”が明らかになる。ビア監督はそのことを描くために、何かパニックが起こった際に登場人物それぞれが異なる反応やリアクションをとるように丁寧に描いている。さらに本作は屋敷に閉じこもって生き延びようとするマロリーと、数年の後に小さな子供の母親になったマロリーのドラマが交互に描かれる構成で、後者のマロリーは、予期せぬ妊娠に戸惑う冒頭の彼女からは想像もつかないほど、子を守ることにすべてを費やしている。「あの場面のマロリーにとって最大の恐怖は、自分が死ぬことでも、謎の恐怖でもなく、子どもたちが危険にさらされることです。だからあのシーンのマロリーは弱みなど見せないし、子どもに厳しく接することもあります。でも、すべては子どもたちを守るためなんです」
どうしてこんな事態になってしまったのかわからないまま屋敷に立てこもるマロリーと、時が経ち、子どもたちと共に目隠しをしたまま生存の道を求めて旅に出るマロリーの物語は一体、どんな結末を迎えるのだろうか? 「私はいつも“極限状態の中で人間の真理があぶりだされる”物語を描いていますし、現代の社会はまるで“砂の城”のようにモロいものだと思っています。でも、物語を描く上ではいつも最後の最後に“ほんの少しの希望”を残すことを強く意識しています。もし、あの日受け取った脚本が希望のまったくない結末であったなら、私はこの作品を引き受けなかったでしょう」
謎に満ちた恐怖と、それでも希望を捨てない人間のドラマを描く緊迫のスリラー『バード・ボックス』は、ビア監督が最初に脚本に抱いた印象通り“スリリングなのに深遠な物語”を描いている。
Netflixオリジナル映画『バード・ボックス』
独占配信中
提供元:Yahooニュース