-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
星由里子の水商売役に多くの共感 “よろめきドラマ”の代表作「ぬかるみの女」(夕刊フジ)

【生誕90年・花登筺どてらい世界 ペリー荻野】
上方喜劇やど根性ドラマで人気を得た作家、花登筐は、“よろめきドラマ”枠といわれた昼ドラマの世界でもヒット作を連発した。その代表作が「ぬかるみの女」(1980年)だ。主演は2018年に急逝した、花登の3人目の妻である女優、星由里子だった。
お嬢さま育ちだったが、放蕩(ほうとう)三昧で暴力までふるう夫と離婚を決意した文子(星)は3人の子のため、大阪に出て水商売の世界に飛び込む。仕事はミナミのキャバレーで客の相手を務めるダンサー。指名客がつけば収入が増える。文子は清楚な美貌と賢さで指名客を獲得して売れっ子になるが、ライバルからは激しい嫌がらせを受ける。
女の園の愛憎、男たちとの出会い、母としての苦悩など、文子の苦労は続く。ここでいい味を出していたのが、アケミとキヨミ。文子のライバルダンサー、アケミ(真木洋子)は文子に借金させ容赦なく取り立てる。どぎつい化粧に蓮っ葉な物言い。真木はNHK連続テレビ小説「藍より青く」(72~73年)のヒロインだったが、ここでは鋭い目つきで文子を威嚇する女豹のような演技で新境地を見せている。
一方、店の先輩の清美(水野久美)は、「お客さまがいらしたら、まずこうして」と接客業の基本を文子に教え、陰ながら彼女を助ける。常にフェアな態度で気持ちいい女性だった。水野は、この役のおかげで、プライベートで銀座のバーなどを訪れると、『清美さんが来た』と店の女性から大歓迎されたという。
水商売に対して、ワケアリ女性が身を沈める場所という偏見が強かった当時、文子が顧客の会社についての情報を暗記したり、手書きの礼状を書いたり、膝をついてあいさつを実践するなど、プロ意識と自立をドラマに盛り込んだ「ぬかるみの女」は、出勤前に昼ドラを見る水商売の女性をはじめ、多くの視聴者からも共感を得たのである。
とはいえ、新幹線でも執筆を続ける仕事ぶりと遅筆で知られる花登のこと。台本は常にギリギリ。しかも当時は長いワンカットで誰かがとちると最初から撮り直し。花登昼ドラ出演者の苦労は今も語り草だ。
そんな過酷な撮影現場でも、文子は真っ白なドレスで心のこもった笑顔を見せる。その美しさは夜だけに咲く白いユリの花のようだ。このドラマの3年後に世を去る花登の愛妻への思いの表れだったのかもしれない。 (ペリー荻野)
■花登筺(はなと・こばこ) 小説家、脚本家。1928年3月12日~83年10月3日。54年、東宝と契約。58年に「やりくりアパート」で脚本家デビュー。59年に東宝との関係が悪化し独立。松竹の支援で「劇団・笑いの王国」を設立するが64年に解散。
75年、由美あずさとの離婚成立後、星由里子と再婚。83年10月3日、肺がんのため死去した。
代表作は「番頭はんと丁稚どん」「どてらい男」「細うで繁盛記」など多数。
提供元:Yahooニュース