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料理レパートリーを増やしたい 毎回燻製料理でも飽きない「いぶり暮らし」(夕刊フジ)

 【マンガ探偵局がゆく】

 コロナ禍で家食が増えた方からの依頼だ。

 「緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等特別措置で夜は外食がほとんどできなくなり、毎晩家食、家飲みに。リモートワークで家にいることの増えた私が、週の半分くらい、妻に代わってキッチンに立つようになりました。難点は、ふたりともレパートリーが少ないこと。先日、マンガの『クッキングパパ』を参考に新作にチャレンジしたら妻に褒められました。ほかにも、簡単にできて、ちょっと変わっていて、おいしくて、会話が盛り上がるような料理の作り方が載ってるマンガってないでしょうか?」(41歳・工業デザイナー)



 少し遅くなると飲食店が閉まってしまうので夕食は毎日コンビニ弁当という人も多いらしい。その点、お連れ合いと交代で料理、という依頼人は恵まれているのかもしれない。

 要望に沿うようなマンガをいろいろ探した結果、今回は大島千春『いぶり暮らし』を紹介しようと思う。

 主人公は頼子(26歳)と巡(24歳)の同棲(どうせい)カップル。頼子はカフェの店長。巡はゲーセンで働くフリーター。住んでいるのは東京の郊外。同棲は3年になるが、結婚はまだ考えていない。

 2人の休みがかぶるのは日曜だけ。大切な休日の楽しみは、おいしい料理を2人でつくることだ。ある日、頼子は、自宅で燻製をつくるための道具を買いそろえた。家庭用コンロで使える直火タイプの燻製鍋とスモークチップ、ほしカゴの3点で7000円ばかり。テレビを見ていた巡が燻製ハムを焼く映像に「毎日こんなん食えたら最高だろうな…」と感嘆の声を発したからだった。

 マンガは若い2人に起きる仕事や家族のささいな出来事を描く1話完結のオムニバス短編になっていて、毎回燻製料理が絡んでくる。全9巻で完結しているが、燻製ばかりでは飽きると思いきや、飽きない。いろんな素材や料理法があるのに驚かされる。

 道具や料理法については各話に「いぶりめも」というコラムが掲載され、イラスト入りで詳しく紹介されている。道具はホームセンターやネットショップで手に入るのだ。探偵局でも、セラミックの燻製鍋などを買ってみた。タマゴ、チーズ、ししゃも、豆腐、豚肉ほかを試したが、抜群にうまい。ビールやワイン、日本酒にも合う。

 依頼人も燻製にチャレンジして、料理の結果を報告してくれるとうれしい。

 ■中野晴行(なかの・はるゆき) 1954年生まれ。フリーライター。和歌山大卒業後、銀行勤務を経て編集プロダクションを設立。1993年に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』(筑摩書房)で単行本デビュー。『謎のマンガ家・酒井七馬伝』(同)で日本漫画家協会特別賞を受賞。著書多数。

提供元:Yahooニュース
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