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殺害される数日前から何度も「会いたい」と電話が…【紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実】(日刊ゲンダイDIGITAL)

【紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実】#1

 2018年5月30日、ドン・ファンの告別式で私は、喪主として挨拶する若妻を睨みつけ、「絶対に犯人を暴いてやる」と彼に誓った。あれから3年、野崎幸助さんの殺害容疑で元妻の須藤早貴被告(25)が逮捕された。2人が出会ってからドン・ファンが亡くなるまでの5カ月にいったい何があったのか。私が見た真実を書き記そう。

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 ◇  ◇  ◇

 4月28日早朝3時――。都内の自宅の自室でフト目が覚めた私は、起き上がってパソコンに向かうと、ドン・ファン事件がはねた後で出版する予定の「紀州のドン・ファン仇討ち篇」(仮題)を打ち込んでいた。

 これは私が、ドン・ファン殺害犯をあぶり出して敵討ちをする内容になっているが、殺人犯を元妻の早貴被告と特定して書いていたので、彼女が逮捕されなければ日の目を見ない前提になっていた。

「紀州のドン・ファン」本は現在、「美女4000人に30億円を貢いだ男」「野望篇」「『真犯人』の正体」の3冊が出版されている。最初の2冊の筆者はドン・ファンの本名である「野崎幸助」になっているが、ゴーストライターを務めたのは私だった。

■「とにかく来てもらえませんか」

 彼は、18年5月24日夜に、和歌山県田辺市の自宅寝室で変死体となって発見された。私はこの日の夕方に、彼からの電話を受けている。

「どうしても会いたいので(田辺に)来てもらえませんか?」

 この数日前から彼は、私に会いたい、会いたいと何度も電話をくれていた。

「どうせ6月1日には聖路加に来るんでしょ。その時でいいじゃないですか」

 彼は定期検診のために月に1、2度は東京・築地にある聖路加国際病院に来ている。そして次回が6月1日であることも把握していた。

「それではダメなんです。なんとかなりませんか?」

「離婚ですか?」

「……それはお会いした時に話しますから。とにかく来てもらえませんか」

 ドン・ファンが夕方4時に電話をくれるのは珍しい。というのも、深夜1時や遅くとも3時には起床する彼は、夕方6時すぎが寝る時間なのだから、4時は一般人にとっての深夜に近い感覚であろう。それなのに私に会いたいと電話を何度もかけてきたのだから、断るのも不憫に思ったのである。

「分かりました。では明日行きます」

「本当ですか。ありがとうねぇ~」

 彼の言葉が今でも耳に残っている。まさかそれが、今生の別れになるとは想像すらしていなかった。(つづく)

▽吉田隆(よしだ・たかし) 1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

提供元:Yahooニュース
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