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全国行脚の「句会ライブ」で出会った問題作「外された指輪」の解釈とは?(書評)(Book Bang)

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1957年生まれの著者はラジオやテレビの収録の他、俳句普及のために、今も全国を行脚中です。俳句の授業「句会ライブ」も活動の一つ。前半は、誰でも五分で一句できる型をレクチャー。後半は、著者が選んだ特選七句から会場の議論&多数決で一位を決めるというもの。
『指輪と吹き矢とさよならと』と題した、栃木県は日光市での盛り上がりが凄い。「外された指輪の跡や燕の巣」との句を巡ってのものだが、著者は解釈は自由で、それが俳句を鑑賞する行為だと言いつつ、解釈の自由度に笑ってしまいます。
「自分で外したのではなく、外されたという状況が曲者」「失意だとしたら、季語『燕の巣』が、なんだかちぐはぐ」「離婚ですよ。やっと離婚できた。やっほー! 燕の巣を飛び立つ自由を手に入れたぞ」と様々な解釈が。私の解釈も外れました。四十代の女性作者はこう言います。「ずっとはめていた結婚指輪なんですが、肥りすぎて、指から抜けなくなって。消防署に金属を切る機械があって、外れない指輪を何とかしてくれると聞いて」と笑い出します。そうだったのかと会場も笑います。
結局、指は無事で結婚指輪だけが切り取られ、「最後はペンチでぐにゅぐにゅ」などという描写も入り、その解放感が『燕の巣』から飛び立つ気分だったというオチになります。会場の爆笑と拍手は鳴り止まなかったそうですが、著者はこの章をこうまとめます。「たかが俳句ながら、人生の悲喜交々を味わう二時間。大いに笑い、共感する。それが明日を生きる力となるのだよ」と。
俳句からしばらく遠ざかっている人はいませんか。私もその口でしたが、本書によって再開する気になりました。かつて句会に所属し、駄兄ィとの俳号を名乗っていたのです。著者も言っています。年を取ったからこそ見えてくるもの、感じるものがあると。さあ、まずは投句から参りましょうか。
[レビュアー]立川談四楼(落語家)
1951(昭和26)年群馬県生れ。1983年11月立川流落語会第一期真打となる。真打昇進試験をきっかけに、落語界の将来に疑問をもち、書き綴った処女作「屈折十三年」で文壇デビュー。1990(平成2)年初の小説集『シャレのち曇り』を刊行。以後、TV、ラジオの出演の他、講演会等多忙の中、新聞、雑誌に連載エッセイやコラムを書き続けている。著書に『石油ポンプの女』『ファイティング寿限無』『師匠!』『一回こっくり』『いつも心に立川談志』など。
協力:新潮社 新潮社 週刊新潮
Book Bang編集部
新潮社
提供元:Yahooニュース