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もやキュンラブストーリー「パンとバスと二度目のハツコイ」は、自分の恋を思い出すような余白がいっぱい/週末エンタメ(サンケイスポーツ)

何も起きない映画が好きだ。
「パンとバスと二度目のハツコイ」は、“そんな雰囲気”をチラシから漂わせ、見たい衝動にかられた。
大人しそうなかわいい女子と、ちょっと不器用そうなバスの運転手がプリントされたチラシ。いかにも恋が得意じゃない、というオーラにあふれた2人は、元乃木坂46の深川麻衣と三代目 J Soul Brothersの山下健二郎が演じている。元アイドルとアーティストというキラキラ感を清々しいほどに封印し、どこにでもいそうな若者になりきっていた。
物語は、深川演じるパン屋で働くふみと山下扮するバスの運転手、たもつの恋模様を描く。
ふみは穏やかで優しいが、「私をずっと好きでいてもらえる自信もないし、ずっと好きでいられる自信もない」というめんどくさい結婚観を持つ女子。一方、彼女の中学時代の初恋相手で偶然に再会したたもつは、バツイチの子持ちで、浮気をした元妻を今でも忘れられないこじらせ男子だ。
そんな2人がなんとなく会うようになって少しずつ変わっていく。
ドライなふみが、離婚した妻をずっと好きなことに理由がない、と熱弁するたもつに「ムカつく」とつぶやいて“やきもち”を焼いたり、たもつもふみのことが気になりはじめたのに、“妻への愛”をひきずっていたり…。モヤモヤしながらキュンとする“モヤキュン”という不器用な恋を楽しめる物語だ。
ふみが働くパン屋、たもつのバス会社の駐車場、カフェ、居酒屋、友達の家などその恋は“なんてことはない日常”の中で静かに展開する。
天地がひっくり返る出来事はないけれど、2人の“モヤキュン”を見ていると、誰もが自分の思い出に“タイムトリップ”してしまう気がする。
人を好きになりはじめたときの息苦しさ、壊れてしまった恋を取り戻せない後悔、やっぱり振り向いてもらえない寂しさ。ほっこりとした日常の中でヒリヒリした思いも抱える不器用なふみとたもつは、映画を見ている人の恋の記憶をくっきりと甦らせる不思議な魅力を持っている。たとえば、好きだった誰かと見た空の色や風の匂いを思い出したり…。この作品は、何も起きない世界の中で、観客が自分だけの余韻に浸れる余白部分をいっぱい与えてくれる。
今作が映画初主演だった深川は、自然体の演技が劇中の世界観にハマっていた。透明感のある声はとても“耳触り”がよくて、それは“普通の人間”はもちろん、どんな役も地に足をつけて演じられる女優の武器になりそうな気がする。
2月22日に彼女のフォトマガジン「MY magazine」が発売される。“パンバス”のオフショットも満載で、映画とはひと味違う深川のキラキラ感も発見できそうだ。(大塚美奈)
提供元:Yahooニュース