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僕の巣。
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1:
蟲
「タバコ買ってくる…。」 そう言って僕は静かにその巣を出て行った。
2008-02-24 22:41:00 -
192:
犬コロがいなくなった帰り道、独り歩く。マリの巣に着いた頃、聞き慣れないメール着信音がが鳴った。件名…0*0*********「ショートメール?」画面を見る。本文…[これも何かの縁かと思いますので、また連絡していいですか?]ラウの飼い主からだった。いいですよとアドレスを貼りつけメール送信。エレベーターに乗り込み、マリの巣の扉を開ける。
「ただいまっ!」何もなかったかのように元気に振る舞う。「あれ?」マリの姿がない…。キッチンに行くと置き手紙があった。
「なになに…?」[蟲へ。今日は辛かったね。私はあなたが望むならずっとここに住んでもらってもいいと心から思ってるよ。私がここにいたら、気を使うと思うから、今日は友達の家に泊まるから。たっぷり泣いたら?笑。マリ]「…。ありがとう。」マリの手紙を読んで無意識に感謝の言葉が出た。僕は自分の部屋に戻り、ベッドに腰を下ろした。2008-05-10 14:22:00 -
193:
「…。疲れた。」ラウがいなくなった部屋で僕は大の字になった。マリがここでずっといてもいいと言ったのに、何故ラウを飼わなかったのか自分に問う。表向きは前の飼い主に返した方がいいと思ったからだ。でも本当にそうか?僕はきっとこう考えたんだ。ラウがいたら、もしこの巣を出て行く時に面倒だ。置いてきぼりにする事はできないし、かといって次の主が決まらない間、ラウをどうするのか?銭湯にも泊まれない。野宿するか?犬の為に?巣の主が犬を嫌いだったら?また違う主を探す?僕は自分の弱点を知っていた。それは見切りの早さだ。
2008-05-10 14:42:00 -
194:
どんな局面においても自分を守る事をまず第一に考える。慎重すぎるほどに。自分の今の生活を脅かす者は全て排除する。やってみなきゃわからないなんて事はしない。偉そうに女の子に説教なんてしながら、結局は自分が可愛いんだ。今まで寄生してきた飼い主にだってそうじゃないのか?自分の都合が悪くなったら、自分に害を及ぼすと考えれば、やってみなきゃわからない事に挑戦しなきゃならなくなれば…見切る…つまりは…逃げる…。
僕は1つ確信していた。このままじゃ…。
【ボクハ、イツカデキル、最愛ノヒトモ…必ズ…見棄テルト…。】2008-05-10 15:15:00 -
195:
僕は、たった1匹の小さな犬にそれを再認識させられた。
心に…体に…染み付いたその習性はちょっとやそっとじゃとれない。ラウの写メを見ながら、それでもラウがいなくなって少しホッとしている自分に反吐が出た。
あんなに泣いたりしたのはただのポーズか?いや違う、僕は犬1つ飼えない不甲斐ない自分に涙した?だとしたら何故今、ホッとしてる?よかったな。自分の居場所守れて…。
僕は自分がもうわからなくなり、その夜はもう寝る事にした。2008-05-10 15:32:00 -
196:
ガチャン。
玄関のドアの音で飛び起きる。『ただいま。』「おはよう。おかえり。そして昨日はありがとう。」『よー泣いた?笑。』「…。」『ま、ええわ。』「腹すいてる?」『いや。さっき食べてきた。』「そうか。」『蟲?今日暇?』「今日も糞も毎日暇。手のかかる犬はもうおらんし。」『デートせーへん?』「デート?」『笑。冗談。買い物付き合って?』「ええよ。仕事は?」『今日は休む。』「結構な頻度で休むな。」『ま、愛人探しやから。』「ほぅ。」『ほな用意してや。』「へいへい。」マリに促されシャワーを浴びて、着替える。
【何を買うのかなっと】2008-05-13 09:16:00 -
197:
支度も終わり、2人で巣を出る。『出会ってから、初めてじゃない?出かけるの。』「せやな。」『もっと嬉しそうにしーや。』「…。」怪訝な顔で僕がマリを見るとマリは腕を組んできた。
「おいおい。」『いいやん!さぁ覚悟しーや!連れ回すで!』「…。」タクシーを停め、乗り込んだ。「またタクシーかよ。たまには歩こうぜ。」『いいから。いいから。』何処に行くのかもわからないまま、車に揺られる事、15分。繁華街に出て来た。
「すげーな。人多っ…。」『久しぶりちゃう?こんな街中くんの。』「…まぁな。しかし、人が…」『笑。さ、まず一軒め。行くでっ!』
【1軒め?】2008-05-13 09:37:00 -
198:
しばらく歩くとマリが急に曲がる『ここっ!』「うおっ!」『可愛いー。これ雑誌に載ってた!あ!これも可愛い!』「服かよ…。」いつも気だるそうなマリはイキイキとして洋服を選びだす。「やれやれ…。」『これめっちゃ可愛い!な?蟲?これとこれどっちが似合う?これはなここにリボンが何たらかんたら…(以下省略)』「…どっちも買えよ。」『…せやなっ!』「…。」服を2着購入。『次行こ!次。』「…次何買うん?」『靴♪』「靴?よーけあるやんけ。」『あれは去年の!』「え?去年のとか…新しい年になる毎に変えるん?」『当たり前やん。』「へぇー。水着感覚やな。」
【俺なんか…ずっとこの靴…一張羅。】
2008-05-13 09:52:00 -
199:
「まだ歩くん?」『さっきたまには歩こう言うたやん。』「…。」買い物となると、女の子は元気になるのか?と不思議に思う。『着いた。』「じゃ。俺はあっこで座っとく。」『はぁ?あかんで。蟲に選んでもらうねんから。』「…。店員がおるやん。」ぶつくさ愚痴を言いながらも巣の主に従う。『ほらほらこれ見て?こっちとどっちがいい?』「…だからどちらも買えと。」『あかん。選んで。』靴なんかはけりゃいいじゃねぇかとマリが持つ靴を凝視。
「…こっち。」『へぇ?何で?』「マリはよく白い服着るから。足元はにぎやかな色がいいかと。それにこっちのが踵が低いし転んだりしないかなと。」『ん。ファッションセンスはひと昔前やけど、気づかいがええな。んなこれ。』
【ひと昔前?昭和初期やがな!】2008-05-14 01:27:00 -
200:
さて靴も購入したし帰るのかと嬉しく思ってたら、『ちょっと休憩する?』とマリ。「休憩?まだどっか行くん?」『後は化粧品とか…スカルプとか…(以下省略)』「…。」気が遠くなるが、前日、巣を空けてくれた恩があるので黙ってついてく。荷物は左手に2袋。『あっこでお茶しよか。』「うむ。」店内はひんやり涼しく、普段駅前までしか歩かない僕は、少し汗をかいていたので嬉しく思う。『何する?あたしカフェオレ。』「ならアイスコーヒー。」『甘いのは?』「いいの?なら季節のケーキ。」店員がクスッと笑う。『ほなそれ2つな。』店員につげるマリ。
【店員は何故笑ったのだ?】2008-05-14 01:36:00 -
201:
お待たせしましたとの声で運ばれるケーキとコーヒー。ニコニコしながら店員が置くのを待つ。ちゃんと店員が立ち去ってから食べはじめる。「うまい!」『あんたほんま子供みたいやな。』「そうか?」『店員笑うてたやん。』「おう。おう。あれなんでやろな?」『あんたみたいなちょいイカツイ男が私に確認してから、ケーキ頼んだからちゃう。笑』「へぇ。イカツイか…。」『あんた背でかいし、ガタイいいやん。』「そか?ま、いーわ。」『あんたいつもそっち座るん?』「ん?おう。」『わざと?』「癖。」『癖?ホストの時の?』「ん。」『ちゃんと教えて。』
【うるせーな。せっかくケーキ喰ってるのに】2008-05-14 01:57:00